シュークリーム #1-1 ページ29
Aはいつものようにケーキ作りをしていた。……のではなく、兵士達の訓練場に訪れていた。
剣と剣を交える音。力を出すための威勢のいい声。甲冑の擦れる音。全てがAにとって別世界で、珍しいものばかりだ。
なぜここにAがいるのか。それにはきちんとした理由がある。
以前コネシマに「俺達が訓練しとるとこ、いつか見に来てや！！」とキラキラした瞳で誘われのだ。A自身見たことも無いものに興味があったし、なによりコネシマの人を惹き付ける力に魅力されてしまい、わくわくした気持ちで訪れた。
しかし運が悪いようで、今訓練場にコネシマは見当たらない。また次の機会に、とも考えたがどうせならコネシマ以外の兵士や戦闘要員も見ておきたい。そうして訓練場を見て回ることにした。
芝生が広がる広い場所では兵士達がお互いに手合わせを。障害物がたくさんある場所では死角を利用して特攻する練習を。隅の方では小隊らしき人達が掛け声に合わせ行進したり、と訓練と言っても種類は様々。1つの場所から見るだけでは到底見渡しきれないそれに、少しだけ、探索がてら訓練場を回ってみようか。なんて思ってしまった。
兵士達の休憩所。戦略について会議する部屋。仮眠室。予想通りちらっと見ただけでは発見出来ない場所が沢山ある。兵士の人達には少し怪しげな目で見られていたが、Aは全く気にしていない。
そんな中、少し錆があって古臭い鉄の倉庫を見つけた。
「(少しなら、覗いて見ても良いよね。)」
自らの好奇心を抑えきれなかったAは、施錠されていない少しガタついた鉄の扉を横にスライドさせる。そこには剣や盾、甲冑など、実戦用のしっかりとした武器が丁寧に仕舞われていた。言わずもがな、ここは武器庫らしい。実戦用の武器(なのかは実際分からないが)、なんて嘘みたいに綺麗で光をキラキラと反射するそれは、ますますAを惹き付けた。
特に、甲冑。どういう仕組みなのか、まるで人が中に入っているかのように立っている甲冑はとても重そうだけど、動きやすいように工夫されているように見えた。
ふと、甲冑の手の甲辺りに手を伸ばしてみた。
グラリと1人分の甲冑がAに向かって倒れてくる。
「…っわ！」
「あ、危ないっ！！！」
誰かの声を聞いたのと、ガシャン！！という甲冑が完全に倒れた音を聞いたのはほぼ同時。
顔を真っ青にして駆け寄って来る男の人を見たのが最後で、そこからAの記憶は無かった。
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とあ(プロフ) - ルナさん» 褒めていただけてとても嬉しいです！これからもこの小説読んでお腹すかせて下さい笑 (2017年10月2日 8時) (
レス) id: 128c51a6b1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ↓ラグリすぎ正しくはリアル過ぎてお腹すいてくる (2017年9月20日 22時) (レス) id: 8638a0fc39 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - やばい凄いリアル過ぎておす好いてくる。君のせいで幻匂がするじゃないか(誉め言葉) (2017年9月20日 22時) (レス) id: 8638a0fc39 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - いなりさん» ありがとうございますー！ぜひともケーキをお供にしてはいかがでしょうか？笑。同士ですか！嬉しいです！！これからも頑張りますので宜しくお願いします！ (2017年9月4日 20時) (レス) id: 128c51a6b1 (このIDを非表示/違反報告)
いなり - 誤字です;ケークではなくケーキです！連続失礼しましたー (2017年9月3日 19時) (レス) id: 67ffebb8dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とあ | 作成日時：2017年7月21日 21時
