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お館様の屋敷へと行った帰りに、久々に師匠と共に暮らしていた家へと寄った。
約三年間全く人が入ってこなかったため、部屋の中は少し埃っぽい。
師匠の部屋に入り、文机の引き出しを開ける。
「これか…」
引き出しの中には、たった一通の手紙しか入っていなかった。
『お前が柱になったら教えてやるよ』
そうニヤニヤと笑う師匠の顔を思い出しながら、私はそっとその手紙の封を切った。
『Aへ
ちゃんと飯食ってるか?
毎日稽古してっか?
まぁ、お前の事だからその辺は心配要らねぇな。
俺が死んでからお前がやることは三つだ。
一つ目は、きちんと仲間を作ること。
これに関しては何もアドバイスは出来ねぇ。
俺は面倒だったから仲間なんていらねぇと思っていた。
でもな、最近ようやくわかったんだよ。
信頼に足る仲間がいれば、自分一人では歯が立たねぇ相手でも打ち倒すことができる。
二つ目は、鬼を狩ることに執着しないこと。
鬼に対する憎しみや恨みは、確かに自分自身を突き動かす原動力になる。
しかし、それだけでは必ず壁にぶち当たる。
鬼殺隊の役割は、鬼を滅することだが俺はあくまで"人を守る"ために戦っている。
お前にも、そうであって欲しい。
憎しみに囚われるな。
三つ目は、必ず自分の望む未来を叶えること。
お前が話していた、旦那を助けたいって思い。
絶対に忘れるな。見逃すな。
二つ目の項目でも書いたように、憎しみだけに囚われてはならない。
救うために、戦え。
そんで、絶対に幸せになれよ。
俺は、お前の師匠になれて良かった。
お前と過ごす日々は、俺にとっちゃあ一番幸せな時間だった。
ありがとう。
雪柱、
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みーた(プロフ) - 麗羽さん» 泣かないでぇ(´;ω;`) (2019年10月12日 21時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
麗羽(プロフ) - 普通に泣きました……( ;∀;) (2019年10月12日 13時) (レス) id: 835b4d5769 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - みーたさん» ありがとうございます! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 483e5f8c50 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - ちぃさん» 申し訳ございませんでした!すぐにルビをふってまいりますので少々お待ちください! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - おさるさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年9月29日 20時