検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:293,984 hit

第四章 ページ32




家から一時間近く走った場所に、その村はあった。

鴉からの情報によると、どうやらこの一週間で子どもが十数名も行方不明になっているらしい。


「でけぇ村だな」

「えぇ…村というよりは町ですね」


これだけ規模の大きい集落なのに、人が少ない。
ここは浅草にも近いから、もっと発展していてもおかしくないのに…


「とりあえず、手分けして聞き込みすんぞ。一時間後にここで落ち合おう」

「わかりました」


師匠の言葉に頷いてから、私は師匠と反対の道へと歩き出した。
少しすると、甘味処があったため入ってみる。


「あら、いらっしゃい」


中からは、少しやつれた女の人が顔を出した。
あぁきっと、この人は…


「お聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」

「はい…」

「この村で、子どもが行方不明になっていると風の噂で聞きまして…何か知っていることはありませんか?」


私がそう尋ねた途端、その女性は目を見開いた。
そしてその瞳が潤んでいき、涙がポロポロと溢れ出す。


「私の…子どもなの…急にいなくなって…」


悲しみの混じった声に、胸が苦しくなる。
杏寿郎を亡くした自分の姿に彼女の姿が重なった。



*→←*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (217 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
567人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みーた(プロフ) - 麗羽さん» 泣かないでぇ(´;ω;`) (2019年10月12日 21時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
麗羽(プロフ) - 普通に泣きました……( ;∀;) (2019年10月12日 13時) (レス) id: 835b4d5769 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - みーたさん» ありがとうございます! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 483e5f8c50 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - ちぃさん» 申し訳ございませんでした!すぐにルビをふってまいりますので少々お待ちください! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - おさるさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年9月29日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。