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「合格だな」
「本当ですか!?」
二ヶ月が経ち、ようやく全集中・常中を身に付けることができた。
師匠の言った通り、基礎体力と肺活量をひたすら鍛えた結果だ。
「あとお前、階級なんだ?」
「ちょっと待って下さい」
師匠に言われて手の甲の文字を確認した。
ゆっくりと"己"という字が浮かび上がってくる。
「なるほどな」
「…なんですかその反応は」
「三ヶ月でそれなら充分だってことだよ」
突然わしゃわしゃと頭を撫でられる。
髪の毛がぐちゃぐちゃになってしまったが、あまり気にならなかった。
「階級だけが全てじゃねぇが、それはお前が沢山の命を救ってる証だ。頑張ったな」
「ありがとうございます…」
急に褒められて少しだけ恥ずかしくなった。
でも、師匠が努力を評価してくれるから、私は更に頑張れる。
「おし、稽古再開すっか」
「そうですね」
師匠の声に返事をし、竹刀を握ろうとした時だった。
「カァァァァ!伝令!伝令!雪園A八雪柱ト共ニ北東の村へ向カエ!」
鴉が飛んできて、私達の頭上でそう叫ぶ。
師匠との任務。
安心できるはずなのに、何故か胸の奥がもやもやする。
また、何かを失ってしまうような…
「行くぞ」
「…わかりました」
師匠の言葉に頷いて、日輪刀を持ち伝えられた場所へと走り出す。
「気張れよ、A」
「はい!」
不安を掻き消すために大きな声を張り上げた。
大丈夫。
師匠は強いから、大丈夫。
何度も自分にそう言い聞かせながら、師匠の背中を追う。
本当は知っていたのに。
どんなに強い人でも、命が尽きる瞬間は必ず訪れるということを______
【第三章終了】
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みーた(プロフ) - 麗羽さん» 泣かないでぇ(´;ω;`) (2019年10月12日 21時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
麗羽(プロフ) - 普通に泣きました……( ;∀;) (2019年10月12日 13時) (レス) id: 835b4d5769 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - みーたさん» ありがとうございます! (2019年10月12日 12時) (レス) id: 483e5f8c50 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - ちぃさん» 申し訳ございませんでした!すぐにルビをふってまいりますので少々お待ちください! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
みーた(プロフ) - おさるさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年10月11日 22時) (レス) id: 8487e33076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みーた x他1人 | 作成日時:2019年9月29日 20時