訳あり人 2 ページ4
歩いて数分。誰にも気づかれることなくマンションの前まで辿り着く。
「ここが俺の家だ」
指を差して示せば、彼女は大袈裟に肩を震わせた。
『…お兄さん、実はお金持ち？』
「お兄さんじゃない、俺は月永レオ」
『月永さんね…。綺麗で格好良い名前ですね』
「…あっそ。で？お前の名前は？」
歩きながら質疑応答を繰り返し、そう尋ねる。彼女は考える素振りを見せた後、にへらっと笑った。
『…A』
それだけ告げる彼女に、レオは驚きつつもそれ以上の追求はしない事にした。
やけに、幅を開けて歩く彼女に無理矢理くっつけて歩く。
『ちょ、何してるんですか…私臭いですよ』
「眠いからあんま気にしてない」
『そーじゃなくて…』
と、言いかけたところで、レオが住む階に到着し扉を開ける。
玄関に入れ、中心のフローリング部分に入れると彼女は買いたての猫のようにキョロキョロとする。
『でっか〜いし、ひろ〜い…』
「なんだそれ、」
くすくす、と力なく笑いながらクローゼットとタンスに行く。
やがて、バスタオル2枚と彼女に合うサイズの服とスボン、予備で買った桃色のボディーを手渡す。
「風呂あっちだから。入ってこいよ」
『あ…りがとう、ございます…。』
初めて見せる、申し訳無さそうな顔が何だか可愛らしく思え、つい頭を撫でる。
若々しい頃だ、と疲れきった心で呟いてソファーに腰掛けテレビを付けた。
『あの〜…』
風呂から上がった彼女は、意外とピッタリとあった綺麗な服を着こなして恐る恐るフローリングを歩く。
ほかほか、と久しい感覚に小さく笑みを零しながら扉を開けた。
『…あの…？』
この部屋の主に問いかけるが、返答は無く恐る恐る覗き込めばそこにはスヤスヤと眠りこけるレオがいた。
『寝てる…。』
起こした方がいいのだろうか、と身体を売られた身として考える。
しかし、どうやら疲労しきった顔をしていたし起こすのもどうだ、と考えていた時TVから歓声の声が耳を貫く。
彼女が、TVを覗き込むと…
《うっちゅ〜☆みんな元気にしてるか〜？》
そこには、今しがた見て、会話した人物がテレビに飛び込まんばかりに元気に手を降っていた。
《お姫様も騎士のみんなも今日は俺たち【Knights】のliveを楽しんでくれ！》
途端、湧き上がる歓声がテレビから分かるけど聞こえる。
それを目に焼き付けた彼女は……
『…〜〜…。っ…』
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か - 面白 (2020年2月6日 13時) (
レス) id: 09898d8fcd (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです！続きが気になります｢タバコを吸った。女子高生を拾った｣って言うタイトルの小説あるんですかとても気になります！にた名前の｢ヒゲを剃る。そして女子高生を拾う｣って言うタイトルの小説なら読んだことあるのでその小説がとても気になりました！ (2019年11月12日 12時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2019年11月10日 16時
