FBIと公安に愛される私 Part3 (ページ14)

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～A～

｢てな事を言ってたよ」

拓真｢一応その指示は受けてるけど、俺はクモじゃない」

昼休み、未だ馴染めず拓真を捕まえて一緒にご飯を食べるのが日課

拓真｢クモがいるってのは旦那様に聞いたな。さすがに正体までは教えてくんねーけど」

｢そうなんだ。あ、クモの話しじゃないんだけど例の通り魔。犯人は成瀬さんじゃないかって」

拓真｢その噂の出処ウチの部署なんだよな。だから旦那様に犯人捕まえろって言われてるけど……俺は警察(さつ)じゃねぇよ！！」

｢信用してるからでしょ」

拓真｢信用ね……」

｢そうよ。だから……さ…」

拓真｢はぁー…。鈴風様がいなくなった日。執事は辞めようと思ってた。でも、辞められなかった」

｢給料いいから？」

拓真｢お前が泣くからだよ」

｢え…………？」

拓真｢バカみてぇにお母さんって泣きながら叫んで。それを見ちまったからどこにも行けなくなった」

｢バカみたいは…余計だし」

私があんなに拓真のこと避けてたのに、拓真は私のこと見てたんだ

嬉しいのか恥ずかしいのか、自分でもよくわからないけど顔が熱いのはたしか

昼休みが終わる前に戻ると、成瀬さんはもう仕事をしていた

こんな仕事熱心な人が本当に通り魔なの？

拓真も探りを入れるために一緒に帰るなんて言ったのかな

｢あの成瀬さん。またわからないとこがあって。これなんですけど」

成瀬｢これはこのページを一度コピーして……」

教え方も丁寧だし

あれ？成瀬さんのこの画面……

｢成瀬さんって私達に隠してる事あります？」

私のバカ！

こんな直球に聞いたって答えははぐらかされるに決まってるじゃん

でも成瀬さんは、持っていた資料を落して激しく動揺していた

｢あの……？」

成瀬｢し、失礼っ！ちょっとお手洗に」

｢あ…はい」

見送ってみるも、あれおかしいよね？

私は犯人探しをしてるわけじゃないけど、あそこまであからさまだと気になる

先輩(ひと)のパソコンを勝手に見るなんて非常識だし……拓真に報告したほうがいいのかな

同僚｢十一月さん。これなんですけど」

拓真｢それは俺が引き継ぐ。それより会議の資料は？出来てんだろうな」

ああいうの見てると、男は顔じゃないって思うよね

私の場合はお父さん(矢河)と縁を切っていいと言ってくれる男性(ひと)がいい

その点、赤井さんと安室さんは岡峰Aとして接してくれてる