袋の鼠。みたいにして─2 ページ26
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「これで満足?」
hk「……まぁな。あの店、もう一度行ってもいいか」
「勿論だよ。気に入ってくれた?」
hk「雰囲気が好きなだけだ」
なんか嬉しいよ高木は。
光くんがバーに顔を出してくれるようになったら、いよいよ対面の時期なんだけどなぁ。
……ま、そうなるように仕向けたんだけどね。
だってこうでもしないと、薮くんが待てないって言うから。
大学卒業までに事を終わらせる必要があるしね。
「あ、そう言えば。涼介さんは百万支払ったの?」
hk「おいっ!なんでそこまで、」
「いや、だからっ!!よく愚痴ってくるんだってば」
殴りかかろうとするんだもん。
弁解しようと必死で避けてもキリがないよね。
hk「出したとは仰っていた。でも、払った訳じゃないからな。借りを作ってやっただけだろ」
「ムキになんなって」
hk「なってねぇし」
本当に山田のこと好きなんだなぁ、ったく。
「はいはい」
hk「そういえば、そっちはどうなんだよ」
「そっちって?」
hk「“『蜂』さん”の、護衛。いつ誕生日パーティーすんだよ」
「来月。着々と準備は進んでいるよ。邪魔をするなら早い方がいいと思うけど」
hk「突破口は俺が作れ、……ってこと?」
「そういうこと」
笑っときゃなんとかなる精神の俺とは違い、←
光くんは筋道を作りたがりの、ルールに従いたがりだからなぁ。←
hk「なら、まずは“『蜂』さん”との関係について聞かなきゃな」
「っ、ん?」
hk「お前、繋がってたんだろ?この組と」
「どうして、そう思うの」
hk「お前の家から“『蜂』さん”が出てくるのを見たって証言してる奴がいる」
「あの日は偶々“『蜂』さん”が組で倒れて──」
hk「偶々だあ?」
「っ、!」
hk「あの日、お前は自ら進んで『蜂』を介抱したじゃねぇか。家に帰ってからなに話してたんだよ」
「べっ、別になんも話してないって。ただポップコーンが食べたいって言うから買ってあげただけで……」
hk「一緒にいたのは認めるんだ?」
「えと、……まぁ実質そうなんだけど!」
見られていたとなればやっぱりあそこだよな。
『蜂』との関係はあれだけだ。
ただ気になるのが一つ。
すぐ後に帰ってきた薮くんが狙われてはいないか、ってことだ。
「その後、すぐ撤収した?その人」
hk「まぁ、そうだろ。そこまでは聞いてねぇよ」
なに、その後の方が知られたくないわけ?
……高木雄也、ただ今大ピンチです。
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柊(プロフ) - みるみるみるきーさん» コメントありがとうございます!!!まさかまさか、みるみるさん(私が勝手にそう呼んでいます。すみません)からコメントを戴く日が来ることになるとは……!騒いでいただけるなんて、感激です!早く更新します!ありがとうございます!頑張ります! (2020年9月13日 23時) (レス) id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - 初めまして。《ミントな君に祝杯を》をから一気読みしてしまいました。いろんな人がいろんな形で絡んでいて、え?あら?そーなの?うわー!と、ひとり騒がしくしながら読み進んでいました。更新、楽しみにしています。 (2020年9月12日 19時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2019年6月16日 15時