婚姻届を書いてください!!【太宰治】

9話 ページ11

太宰side


「もしもし森さん」

「太宰くんかい!?久しぶりだねぇ、元気かい？君が出ていってから毎日が退屈でしょうがないよ。嗚呼、今は何歳になったんだっけ？大きくなった君も見てみたいねぇ、」


「森さん五月蝿い」

「えっ、酷い」


だから電話掛けたくなかったんだよねぇ


「電話掛けてきたのには理由が
あるのだろう？」


なかったら電話しませんよ、

「えぇ、勿論。
私の妹今何処に居ます？」



「何を言っているんだい？



君の妹はお墓にいるよ。
死亡判決をした私を疑ってるのかい？」

「あれは、本当に私の妹ですか？」


じゃないと話が可笑しいんですよ。


「あのね、太宰くん。仮に君の妹で
無いとして、DNAが残ってたとしても
判別しようがないよ。



君と妹の血は繋がって無いからね。」

矢張り此の人でもどうしようもないか。
一寸組織長をしてる医者に聞いたって
意味なかったんだ。


「話を変えるよ。
金髪ストレートの特務課の女性、
知ってますか？」


「嗚呼、知ってるよ。
何時もエリスちゃんとお茶会してるんだよ、
君も来るかい？」

御丁寧に却下致します

っていうか彼女暇人だねぇ。


『その人の名前、知ってます？』









「嗚呼知ってるよ、小鳥遊くんさ。」


小鳥遊……？
確か其れは広津さんが昔使ってた偽名だ

其れも、知ってるのは3人だけ。


「へぇ、下の名前は？」


「知らないよ」


世の中名字だけ名乗る人ってまだ居るんだ、
何回も会う人に対しても。


私はまだ名乗ってもらってすら無いけどね！



「彼女も凄いよねぇ、
昔はあんなに可愛かったのに」


やはり昔会ったことある……？

「私、会ったことあります？」








「嗚呼、この老人すらも覚えてるほど会ってるよ」




人間の記憶って酷く曖昧だね

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