Affect094 ページ50
Aside
翌日、学校。
「いっそ戦うんじゃなくて、スパイダーとかでトリオン兵拘束して刺してみれば？」
「まあ…あのザクッて感触に慣れれば斬れるようになるかもだけど…」
休み時間、私は出水と教室で訓練の話をしていた。本当は寝不足すぎて今すぐ寝たいんだけど、こいつらが絡んでくるので眠れなかった。出水は私の隣の席なので、椅子をこちらに向けて自分の席(少しこちらに寄せている)に座っている。
「ボーダー復帰したときはどーやって訓練したんだよ、迅さんの特別メニュー？」
私の前の席は米屋なので彼はそこに座っていて、私の席に肘をつきながら問うた。私は頬杖をつきながら出水の方を見ているので頭と頭がぶつかりなそうなほど近いのだが、中学からこの距離感なので私達自身も、そして出水も別に近いということを変に意識することはない。
「いやなにその特別メニューって。普通にひたすらトリオン兵と戦ってたかな。でも、なんか色々迅さんが根回ししてたよ」
「それ特別メニューじゃん。根回しってどんな？」
「んーなんか段階が組まれてた」
私が出水の方を見たまま米屋の問に答えて、それにまた米屋が返してくるのでそのまま会話を紡いでいく。今度は出水が「段階？」と声を発した。ちなみに綾は選択授業で教室が違うので、3人でこんな話になっているわけだ。
「今思えばって感じなんだけど、最初の頃は武器持たずにひたすらトリオン兵の攻撃を避ける訓練で、同時進行で別に一人の空間で鎌素振りする訓練してて。慣れてきたら武器持ってトリオン兵と訓練室入って、余裕があるときは弾当てて攻撃する……とか、徐々に戦闘自体に慣れさせてもらった感じなんだよね」
まあそこまでしてもらっても、ちゃんと斬れるようになるまでは時間が結構かかったわけだけどね。
「なるほどなー。まずはトリオン兵と"戦える"レベルに戻してもらったわけな」
「で、そっから鎌で斬れるようにひたすらバトルしまくったってこと？」
「……まあね。でもなんか迅さんは、」
迅さんが、師匠として私に指導をしてくれた数々のこと。技術的なことも戦闘向けの知識も、戦う感覚も全て、彼が思い出させてくれた。けれど今考えれば、一番大きかったのは……
.
『斬れるようになるまで、ちゃんと側にいる』
.
きっと、与えてくれた言葉たちだ。
「んーなんていうか私の気持ちの問題もあるけど、迅さんは精神面で支えてくれた部分が大きかったかなって」
迅悠一は、私の中ですごく大きな存在だから。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
