Affect092 抱えるもの ページ48
空閑side
「じゃあレプリカ、今日のおさらいだ」
『心得た』
夜中。玉狛支部の屋上。おれはそこで、今日の個人戦で学んだことを思い返していた。ずっとC級でいてもオサムとチカとチームを組めないし、トリガーも訓練用じゃ不便だしで、何もいいことがなさそうだ。だから早くB級に上がれるように、復習する。
「あれ、遊真？」
確か今は、深夜2時とか、そんな時間だったはずだ。なのにその人がこの場に現れたので、おれは少し驚きながら声のする方を見た。いつも結ばれている髪がおろしてあって、もこもこのパジャマと、防寒用のブランケットを羽織っている。当然向こうもおれの姿を見て驚いているようだった。
「ひらがな先輩？こんな時間までなんで起きてんの？」
「別に眠れなかっただけ。てかそれ私のセリフなんだけど……」
先輩は顔をしかめながらおれの隣まで歩いてきて、ふよふよ浮いているレプリカに「レプリカ先生もどーも」と挨拶をして、そして「寒っ」とかなんとか言いながらブランケットをぎゅっと握りしめた。
「おれは寝なくていい体だから」
「？どういうこと？」
先輩が目線だけをこっちに向ける。あれ、そうか。おれまだこの体のこと、この人に話してなかったんだな。
「おれ、向こうの世界にいたときに参加してた戦争で死にかけたことがあってさ。今は親父が作ってくれたブラックトリガーのおかげで、ずっとトリオン体で生活してるんだ。だから眠くなんない」
そこまで言って、おれは「詳しくはレプリカからよろしく」とレプリカに丸投げする。先輩が目を真ん丸くして、その話を聞いていた。ていうか先輩のことだから迅さんあたりに訊いてそうだと思ったんだけどな。
「……いいの、そんな大事なこと私に話して」
「いいよ？それにおればっかり先輩の過去知ってるし、フェアじゃないなって前から思ってたし」
「過去？…あー太刀川隊のことか」
先輩が、太刀川隊という部隊に所属していた戦闘員だったということ。コナミ先輩のライバルと言われるほど強かったのに、今では人を斬ることができなくなってしまったこと。そして今、また進み始めるために太刀川隊で訓練を受けていること。
全部偶然知ったことだけど、随分先輩に対して博識になってしまったものだ。
まあもちろん全然知らない面も多いけど。だからといってそれを訊き出すほどおれと先輩は深い仲じゃないし、そんなこと知らなくたって尊敬する先輩であることに変わりはない。
「……遊真。遊真にとって、怖いものって何？」
それは突然、投げかけられた問いだった。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
