Affect085 ページ41
Aside
その日は、まだ太刀川隊での訓練が始まってからすぐの頃だった。
「あれ、A先輩じゃん！」
「駿」
本部は、やはり人と会う回数が多い。大体のボーダー隊員がここに集っているわけだし、最近は太刀川隊の隊室に向かうだけでも何人かに遭遇するものだ。
まあ今日は、別の場所に向かってるんだけど。
「聞いたよ、太刀川隊で訓練してるんでしょ？」
「え、誰に聞いたの？」
「いずみん先輩」
てっきりどうして本部に〜って聞かれると思っていたので驚いた。出水が犯人となると、二宮さんとかにも話されてても可笑しくないな。他にも何人か既に知ってる人居そう。
「あーね…」
「今日も訓練？」
「ううん、今日は違う用事」
「ふーん、そうなんだ」
そして私は駿の頭を撫でて、目的の部屋に急いだ。
.
「亜桜です、失礼しまーす」
その部屋に入ると既に、城戸さん、忍田さん、林道さん、風間さんのメンバーがいた。今日は林道さんから呼び出されてここに来た。内容は訊かされていない。
「お〜亜桜、やっと来たか」
「あ、もしかして私また一番最後で…」
「どもども遅くなりました、実力派エリートです」
目上の人ばかりの会議の場に、また最後に来てしまったのかと冷や汗をかいたとき、その声が真後ろのドアから訊こえて安堵した。私がドアの前から退くと彼は中へ入ってくる。
「よかったー、迅さんまだいた」
「ん？なにが？」
いえ何も、と私は首を横に振った。
「よし、揃ったな。では本題に入ろう」
私は着席しながら、その忍田さんの声を訊いた。本題と言われても何も訊かされていないので、私は大人しく議題が明かされるのを待つしかなかった。
しかしその議題が、ここ数日の迅さんの行動を繋げる。
「今回の議題は、近く起こると予想される…」
「近界民の大規模侵攻についてだ」
納得してしまった。
突然、私に斬れるようになれと要求した迅さん。太刀川隊に訓練をつけてもらえ、と、より確実性を求めた迅さん。私が斬れるようにならないと不味い事態が起こると言った、迅さん。
それは、全部このためだったんだ。
しかも近界民による侵攻で、人を斬らないといけない状況が起こるとすれば。それは…人型ネイバーとの戦闘がある、ということになる。かなりの確率でそれが予想されているのだろう。
「迅さん…」
「なんだ？忍田さんの話、ちゃんと訊かないと」
ああ、私はこの人に一生敵わない。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
