Affect068 ページ24
迅side
「え？じゃあ亜桜先輩が太刀川隊で訓練を？」
「おれもびっくりしたぞ」
玉狛支部のリビングに行けば、メガネくん遊真千佳ちゃんの三人がいた。ドアを開けるといきなりそれが訊こえる。何だAのやつ、まだ言ってなかったのか。
「あ、迅さん。おかえりなさい」
「ただいま千佳ちゃん。何、Aの話？」
おれは空いていた遊真の隣に座りながらそう言う。「はい」とメガネくんから返ってきた。
「何で急にそんなことになったの？ひらがな先輩って太刀川隊抜けたんだろ？」
遊真が尋ねた。千佳ちゃんはそれも知らなかったようで、「そうなの？」と驚いた顔をしている。Aあんまり自分のことこいつらに話してないみたいだな。だとしたらおれの口からベラベラ喋るのも違うか。
「あ…それと関係あるか分からないんですけど、」
千佳ちゃんが口を開き、おれたち三人は彼女の方を見つめる。
「前に先輩に、兄さんたちを探しに遠征に行きたいって言ったことがあるんです。その時先輩が、"私のときみたいに折れたら＿＿"って反対？して…」
ああ、とおれは納得した。友達とお兄さんを近界に探しに行くことを目的にしてる千佳ちゃんの姿が、昔の自分に重なってしまったときの言葉、か。
「先輩も、誰かを探しに向こうへ行った経験があるんですか？」
千佳ちゃんがおれを見つめる。そうだよな、もし同じ経験を持つ先輩なら、その意見とか助言とか訊きたいよな。
「んー…そういうのは、アイツに直接訊いてやって」
分かるけど、おれの口からそれを言うことはできなかった。
「でも多分アイツにとってあんまり触れられたくない話だろうから、話してくれそうだったら、にしてやってくれ」
あの遠征は、Aの中に深い傷を残している。だからできれば自分から話す気になるまで訊かないでやってほしい。けどこいつら新人の未来もあるから、おれはこう言うことしかなかった。
「そうなんですね…」
千佳ちゃんはそれ以上何も言わなかった。
「うん。ありがとうな」
ぽんぽん、と頭を撫でると彼女はにこりと笑う。
.
『…おれはね。Aちゃんが大切な人と決別して、自力でおれたちのとこに帰ってくる未来と、』
『そこで死んじゃう未来が視えてた』
『結果的におれたちがAちゃんが持って帰ってきた"それ"を手に入れられる未来も、ね』
『どうして言ってくれなかったんですか…っ！遠征に行くなって……！』
『＿＿＿＿今のAちゃんなら、"それ"がどんなに大きな力を持ってるか、分かるでしょ』
.
あの頃のAを、思い出した。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
