Affect055 ページ11
三雲side
「あの…？傘は…？」
「あー、ちょっと小さかったみたい」
「それでごまかせると思った？？？」
玉狛支部の玄関を通りかかったとき、びしょ濡れになった亜桜先輩と、それほどではないが濡れた迅さんが帰ってきた。迅さんの手にはビニール傘が1本あったので尋ねてみたら、迅さんから珍しく歯切れの悪い返事が帰ってきて、亜桜先輩はそれにツッコミを入れてそそくさと靴を脱いだ。
「A、もうそのまま先に風呂入りな」
「いや、迅さんが先に…」
「おれが行くまで傘もさしてなかっただろ？風邪引くぞ」
亜桜先輩はそのまま頷いて風呂場へと消えていった。
.
「え？迅さんと亜桜ちゃんが？」
ぼくはリビングへ行き、そこにいた宇佐美先輩と空閑にさっきの出来事を話した。あのあと迅さんはバスタオルだけとって自分の部屋へ行ってしまった。
「出ていくまで訓練室にいたっぽいんですけど…どうしたんですかね」
ぼくはソファーでコーヒーを飲みながら呟く。
「あー…。なら訓練で何かあったのかもね」
宇佐美先輩が自分のコーヒーのカップに手を伸ばしながらそう言うので、空閑が「訓練？迅さんって厳しい人なのか？」と言いながら宇佐美先輩を見た。ぼくからしても迅さんが厳しい指導をしている様子は思い浮かばない。
「どうだろうね。でもあの二人は何か特別な師弟関係って感じがするから、たまにそういうことがあるんだよね」
宇佐美先輩は言ってコーヒーを一口飲み、そしてそれをテーブルに置いた。特別な師弟関係、というワードがぼくの頭の中でリピートする。
「でも最初の頃に比べたら随分落ち着いたんだよ、亜桜ちゃん」
「そうなんですか？」
「うん。ウチに来たばっかの頃はまだトリオン兵と戦うこともできなかったから」
そういえば亜桜先輩は人を斬れなくなったらしい。その原因も時期も何もぼくらは知らなかったが、宇佐美先輩の今の言い方からして、本部から玉狛に移った時には既に斬れなくなっていたのだろうか。
「それが迅さんのおかげで、トリオン兵相手にはまたA級の実力を取り戻したんだよ」
トリオン兵でも人でも斬ることができなかった亜桜先輩が、迅さんの弟子になったことで一歩進歩した。その裏にはよほど厳しい指導があったのか、それとも他の何かがあったのか、ぼくの知るところではなかった。
「トリオン兵斬れるようになってから今回みたいなこと無かったから、結構久々かもね」
またコーヒーを飲むと、さっきの迅さんと亜桜先輩の姿がよぎった。
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亜桜(プロフ) - レイさん» ありがとうございます！過去編の方の親友と高校の親友は別人になります;;表記がややこしかったですよね！修正しておきますね〜！！ (2020年6月9日 12時) (
レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - とても面白いです！過去編の親友の名前は高校の親友と同じ名前でいいんでしょうか？ (2020年6月8日 23時) (レス) id: b6ab3f2fc3 (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - そるとさん» コメントありがとうございます！マイペース更新で申し訳ないです;;がんばります！ (2020年5月21日 23時) (レス) id: 4e05bff474 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - すごく面白かったです。更新されることがあったら楽しみに待ってます！ (2020年5月21日 19時) (レス) id: 6009fd27be (このIDを非表示/違反報告)
亜桜(プロフ) - みっとんさん» ありがとうございます！がんばります〜！ (2020年2月8日 10時) (レス) id: 69aa40c811 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜桜 | 作成日時：2020年1月4日 1時
