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消太さんは依然黙ったまま、私の本心をただ聞いている。
本当ならば怒られそうな、それこそ倫理観を問われそうな発言を続ける。
どんなに歪んでいようと、ヒーローらしくなかろうと
これは私の本音で、私はその程度の人格の持ち主だった。
『私だって、大事な人を優先してしまいたい。
ただの知人よりも、クラスが同じだけの人よりも、自分よりも。
…無茶した貴方は私が現着した頃には
もうボロボロで意識もなくて、血まみれで、傍には貴方が守った生徒３名。
…私は、貴方が彼らを守るという意志、矜持を持っていることを知らなければ
貴方が彼らを守る立場でなければ
彼らを放って貴方を病院へ運ぶことを優先しました、きっと。
ヒーローではなく、１人のただのズルい人間になってたと思います。』
さて、先生として叱られるか、先輩ヒーローとして怒られるか
保護者として情けないと怒られるのだろうか。
どの立場であっても認められないのは予想がついている。
「…そうか。」
いくつも脳裏に並べた予想される「最初の一言」
そのどれでもなく、消太さんは私の失言に把握の意思表示のみ返した。
虚を突くような反応に私は落とした視線をなんとなく持ち上げた。
視線の先の消太さんは、私を叱っていたはずなのに
今の表情はまるで叱られた子供…いや青年のようで
子どものように不貞腐れてはいないが、若者のようにしおらしかった。
包帯の隙間から覗く目は若干伏せられて
包帯の上からでもわかる唇の凹凸はうっすらと弧を描く。
幾度も幾度も見てきた顔つきの情報が交わって
脳内で包帯のない消太さんが今どんな表情をしてるのか想像できた。
困ったように、宥めるように笑む。
まるで「しょうがないな」「悪かったって、」と無言で伝えてる。
呆気にとられた私が何も言わないでいるからか消太さんの方が話し出す。
「…お前、マイクに泣き言言ったんだって？」
「え！？そうなの！？」
『え、いや…！なん…い、言われ…』
さっきまで文句を垂れ、ていたのに反撃され、恥ずかしくなって少し顔が熱い。
それを嬉々として私の顔を伺う睡さんは意地悪だ。
「今朝来てな。よりによってアイツに小言を言われた。
“Aが泣きべそかくから無茶苦茶してやんな”ってよ。」
え、本当にそれだけで済んでいるのだろうか。
ひざしさんに伝えた言葉を一字一句そのまま伝えられていたら
今以上に恥ずかしくて、今すぐ帰りたいのだが…
…とにかく全部忘れてほしい。
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睡-ｽｲ-(プロフ) - カナデさん» ありがとうございます。夢主の性格に合わせてなるべく繊細に、熟考した様子を描ける様に心がけているので感想とても嬉しいです。明日(本日)2話あげる予定なので楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年11月10日 1時) (
レス) id: ab84331ee7 (このIDを非表示/違反報告)
カナデ(プロフ) - やった！！更新だ！！！ありがとうございます！！五臓六腑に染み渡る…睡さんの書く話は心理描写が細かくて…あと日本語が綺麗（？）です。これからも応援してます！ (2022年11月8日 14時) (レス) @page43 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
麗紅花(プロフ) - はじめまして。最初から読ませてもらいました！とても楽しくて面白かったと思いました。特に夢主のおっしゃる事や性格、個性、シリアス感がと出ていて読むのが楽しかったです。更新頑張ってください！！応援しています。 (2020年9月14日 1時) (レス) id: b338802f9d (このIDを非表示/違反報告)
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