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「う、わ…っ」
唐突すぎる洗礼に叫びたいところだったけれど叫ぶ暇すらなく
飛び出してきたものは私の体に巻きついて、私の体を容易く引っぱった。
想定外すぎて両手にあった荷物はパッと手放してしまった。
…今日卵買ってなくてよかった。割れる所だった…。
当たり前だが、ドアを開けていきなりの襲撃に対して
踏ん張ったり抵抗したりする余地はなく、簡単に廊下を引きづられた。
あぁ、来たなら「来た」くらいの返信してくれてもいいじゃないか。
諸々諦めて身を任せているとリビングで停止し、目の前には足。
視線をあげるとその人は仁王立ちで眉間にシワを寄せていた
捕縛状態の私はその人を見て心の中で苦笑い
「…ただ、いま…です。」
「…あぁ、おかえり。で?これはどういうことだ」
その人の手には、どのサイトか知らないがネットニュースのWEBを印刷した物
捕縛布にぐるぐる巻きのせいで手が使えず体を起こして目を凝らすと
私の知らないところで朝の…
子供を助けたことが怪奇現象として話題になっている、というものだった。
「あんま外で個性を使うなって言ったよな?今日何回使った?」
眉間のシワが一層強まって、さらに眼力も加わって相当怖い。
「すみませんでした…。に、2回です…」
「…もう1回どこで使った」
「色々あって…無個性なのか?ってなったんです。
で、クラスメイトに個性聞かれて…」
「お前頭いいんだから口頭で話せたろ。」
「…手っ取り早くしたくて、買い物ありましたし…」
チラリと玄関先に転がった買い物袋に視線を向ける
横たわった袋からは夕食用の材料達が顔を覗かせていた。
…あ、牛乳パック大丈夫かな?
「こんなに話題になるとは思ってなかったんです。
それに目の前で轢かれかけてちゃ放っておく訳にもいかず…。
それに学校前に血潮見るなんて…。」
はぁ…とため息を零しつつ「丁重にお断りです」と言葉を追加する。
そしてモゾモゾと動いて捕縛布を解く
何回もやられているので、もうコレの解き方はマスターしている
バサリと解け落ちた捕縛布をクルクルと巻いて相手に渡す
「今日ミートドリアにするんです、消太さんも食べますよね。」
「…反省してないだろ」
そう言いながら結構強めに頬を摘まれる。少し痛い
「してます、でもお腹減りません?」
「はぁ…明日も早いんだ。なるべく早く頼む」
諦めたような物言いに口元だけが緩む
「了解です、スグ作りますね」
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チョコ&ピーナッツ(プロフ) - うわわわ…!!紹介して頂き本当にありがとうございます!!私もこちらの作品が大好きです!!もう睡様には頭が上がりませんね…!イラストもお上手で小説も面白い…!!尊敬します!!更新頑張って下さい!! (2019年4月27日 18時) (レス) id: 131b6cb561 (このIDを非表示/違反報告)
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