【FGO】The Menders (ページ6)

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1．マスター・ジョーカー(2) ページ6

｢ツレないな。貴様の休息と知り押し寄せた色魔達を屠ってから訪ねてやったんだぞ、少しは労うなどの甲斐性を見せてくれ｣

出てくる時はフル装備だった癖に、帽子も上着も解いてすっかりラフな格好になった彼は当たり前のように傍らへと入り込んでくる。
そうして身の丈も考えていないのだから当然、一人用を想定した作りであるベッドの上では足が収まらないらしく、壁に背中を預けながら足を組む。いや、狭いんですが？

｢ここのロックガン無視で、俺の精神を媒介に侵入してくるような特権乱用アヴェンジャーに言われちゃ…彼女達も怒り心頭だろうね。どうせなら心配症のお兄さんお姉さん達も一緒に言いくるめておいてくれたら、お菓子くらいはあげたよ｣

君も含めて。だけど。
そう付け足してから体制を変え、彼の膝を枕に再度シュミレーターへ思考を映す。が、それをいい事に彼の手が己の髪を梳いて撫でてきて、掌から受け取れる慈しみが、復讐者にあるものではないだろうと眉を引き攣らせる。

｢そう言うな、我がマスター。……許せよ｣

皮肉に対する返答がこの行為そのものなのだから、彼も相当末期だろう。
苛立つ程短気ではないが、正直、入れ込ませる、という状況をあまり好かない。どうしたものかと思い巡らせながら、機械に収められてある彼の霊基情報に触れてみた。

｢…む、どうした？先程から見ていたのはそれだったのか？貴様も素直じゃない奴め、やはり俺が来て少しは浮かれているんだろう？｣
｢違うよ、君のスキル向上が遅れていたな…と｣

やや前のめりかつ煌めいた目で画面を覗き込んでくる彼の顔はとても近い。当然邪魔なのでぐい、と押し退けては生真面目に正答を告げる。