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「……ええど、
3人が扉の向こうに消えて数分程が経った。お菓子を食べるのにも飽きたが、かと言って他に娯楽があるわけではない。ドンケべラルは
「はい、どうかしました?」
「外の世界についで教えでくんちぇ。おらは記憶喪失なんだ……思い出すヒントになるがもしれねえ」
「外の世界……うーん、分かりました。とは言っても、専門的なところとかは分からないので、本当に常識的なところばかりしか教えられないんですけど、良いですね?」
「構わねえ」
「多数ある世界の平均ですけど……人は生まれたら遺伝子情報を機械にコピーして登録します。記憶とかも定期的にバックアップしてて、肉体が損傷しても完全に元に戻るそうです。だから、殺す事の罪はとても軽くなったそうです。死すらなくなったので。肉体が完全に消えても、データを元に完璧に復元されるので」
彼女はそこで一息つく。
「私の世界は蘇生を禁じていましたけど、それでも情報は機械に登録しなければなりません。全ての世界で規定された、絶対のルールですから。だから……どんな世界の人でも、生の可能性から逃げられない。私の世界が死者の蘇生を禁じていても、もし私の世界が崩壊すれば、登録されたデータを元に誰かが死んだ私を復元するかもしれないんです。これって怖いって思いませんか?死が救いだとは思いませんけど……永遠に生きるかもしれないなんて」
「後はそうですね……うーん、食事とかですかね?当たり前の事ですけど、生き物を食べる事は全ての世界において最大の禁忌とされています」
「え、殺すのは良いのに食べんのはわがねって変だな」
「嘘……ええっと……あまりそういう事は言わない方が良いですよ」
信じられないような物を見る目でドンケべラルを見る

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