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ドンケべラルはページを捲る。司書達の書庫は本当に様々あるようだ。
『蒼白の菌類』
『・タイル張りの書庫を持つ司書』
『・複数の個体が存在する』
『・呼吸により感染した事例が確認される為、侵入の際には防護魔法または生命保護装置を使用するように』
『瞳クラゲ』
『・海のような書庫を持つ司書』
『・読書家とコンタクトを取った記録が多かった事から、試練が絡まなければ温和な性格と考えられる』
『・蔵書は旧宇宙群の歴史に関して記した物が多かった。優先順位低。危険だしこれ以上行く必要はないだろう』
『汎用型文明蒐集装置テルミナス』
『・書庫そのもの、あるいは書庫と同化している?』
『・周期的に試練の内容が変化する』
『・非常に多様な種類の本があった。優先順位高。探索の際は試練の内容が変化した時に備えて生命保護装置を複数用意する』
優先順位が設定されている司書が僅かながらいる。恐らく、ドンケべラルが来る前に探索して情報を掴んだ司書達なのだろう。その数は少ない。瞳クラゲ、汎用型文明蒐集装置テルミナス、それから先程の静寂の淀み……たった3つだ。
ドンケべラルはページを閉じる。続きが気にならなかったわけではない。お菓子を食べたかったのだ。お菓子を食べながら本を読んだらお菓子の欠片を溢して汚してしまうかもしれない。
「これ美味しいね。ツヴァイにもあげない?」
「まだ仕事があるからそれを片付けてからにするって。スクカ受け取る時に渡そうか」
ソファにだらしなく横たわってミナリアは言う。ミナリアのペットらしき浮遊クリオネ達……ガリアとメルキュールがミナリアの腹の上に落ちている。寝てるのだろうか。ぷにぷにしてそうで少し触ってみたくなる。
「ドンケべラルも休んだ方が良いよ〜。疲れたでしょ」
「あ、はい」

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