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「それから、今回から探索は2人か3人で行おうと思う。……良いだろう、ミナリア？」
「そこまで怒らなくても。皆帰ってこれたし、これからはちゃんと気を付けるって。ね？」
少し責めるような目で、リコリスはミナリアにそう呼びかける。ミナリアは軽い口調で答えた。何やらやらかしてしまったらしい。
「スクカが1つ無駄になったんだぞ。……ドンケべラル君、これから君も探索に付き合ってもらうけど、彼のように軽い調子でいるんじゃないよ。塔は本当に危険だからね」
「あ、はい」
本の探索……ドンケべラルはごくりと唾を飲んだ。司書や司書補と呼ばれる怪物がいて、命の危険も伴うというのだから、緊張するのも当然と言えば当然だ。その緊張が露骨に現れていたからか、ミナリアはからかうように言った。
「そこまで気負わなくて大丈夫だよ〜ドンケべラル。隠れていればある程度は何とかなるしね」
「ミナリア……ちゃんと反省しているのかい？」
リコリスはジト目でミナリアを見ている。そんな2人を横目に、ドンケべラルは
「
「うーん……ちょっと怖いけど、そこまでって感じですね。ミナリアさんも言ってましたけど、基本的に司書から隠れて本を集めるだけって感じです。欲しい知識を得られる本を触ると、何と言うかビビって来るんです。そういう本を読んで帰るって感じですね」
「……読んでがら帰んだが？持ぢ帰ってがら読んだ方が良いんでねぇ？」
「そうしたいんですけど、書庫を出ると本が消えちゃうんです。たまに消えずに残るのもあるんですけど、それでも虫食いみたいに文字が塗り潰されちゃうし。だから今まではなるべく多く情報を得る為に4人全員で潜っていたんですけど、やっぱり人数がいると司書に見つかる可能性も高くなっちゃって」
「あー……」
なるほど。多分ミナリアが見つかって、それを助けようとしたのか単に巻き込まれたのか知らないがリコリスが何か不利益を被ったのだろう。なのにミナリアがあの調子なら文句の1つ2つは言いたくもなるだろうな。
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