【呪術廻戦】いつかここから連れ出して【五条悟】

術式 ページ22

A「あるの……？！でも僕、呪術どころか、呪いだって見えたこと一度も……」

悟「呪いが見えないのは結界のおかげで敷地内に呪いが入ってこれないからだろ。
俺の目に映ってるんだから嘘じゃねえよ。

Aの術式は、仕返しとか報復とか、そんな感じ。
大まかに言うと、受けた呪力を取り込んで、自分の呪力に変換して反撃出来る……ってとこかな」



でも、と7歳の時に離れにやって来た男を思い出す。
……大人の男の人を見たのも会話したのも呪術に触れたのも、僕にとってはあれが初めてだったけど、あまり気分の良いものではなかった。

術式の有無を確認するために本家から派遣されたという彼は、しばらく僕の手を握ったり目の奥を覗きこんだりしたあと、「呪力をほとんど感じられません。術式も持っていないでしょう」と、確かにそう言ったのだ。



悟「確かにAからはほとんど呪力を感じないし、流れも視えない。
でも、呪力の器はある。そこそこ大きいから、満ちれば俺と同じくらいの呪力量になるかな。

ただ、呪術師なら無意識にやってるはずの呪力の生成が、Aの体内では行われてないだけ。
Aが術式を自覚してないのも、術式持ってないって勘違いされたのも、多分そのせい」



非術師が大した呪力を持たないのは、エネルギーの制御や貯蓄が出来ず外に発散してしまうからというだけでなく、そもそも感情を呪力にする変換効率が低いからだ。

それに対して呪術師は、生まれつきの才能によってある程度は呪力の制御や貯蓄が身に付いており、変換効率も悪くない。

さらに僅かな感情の火種から呪力を捻出する訓練を積むことで、呪力への変換効率を上げ、制御や貯蓄を意識的に行えるようにするという。
悟も毎日そういう訓練を受けているらしい。



悟「でもAはそれが機能してない。
呪力を電気、術式を家電に例えると……Aのは、『配線には異常が無いのに発電所が動いてないから、電気も流れないし家電も使えない』、みたいな？」



なるほど……？分かるような分からないような。

でもそれって、呪術を使える素質はあるのに、肝心の呪力を作り出してないってことだよね……
結局、致命的な欠陥であることに変わりないのでは……？

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