離れ ページ3
広い敷地の隅にひっそりと建っている、木造の小さな離れ。
扉が開かれるのは１日1度、人が来るのも１日1度。窓は年中閉め切られ、淀んで埃っぽい空気が籠っている。
決して快適とは言えない古ぼけた木の箱の中で、その奥、本棚に囲まれた6畳だけが、僕の世界だった。
カチャ、と陶器の触れあう音がして、読みかけの本から顔を上げた。
足音が遠ざかり玄関の鍵が閉められるのを聞いてから、戸を引いて食膳を内に引き入れる。
「……いただきます」
癖のように呟いて、少し冷めた白米と焼魚、薄い味噌汁を交互に口へ運ぶ。
独りの静けさにはもう慣れたと思ってたけど、１日一度の食事の時間だけは虚しさが増して嫌だ。
家族の揃う賑やかな食卓というものに憧れていた時期もあったけど、それが決して実現しないことを僕は知っている。
外に出て遊んだり人と話したりすることも、山とか川とか街とか店とかに出掛けることも出来ない。
どれほど外に恋い焦がれても、玄関の鍵は内から開けられない。
ほとんどの窓には板が打ち付けられていて、そうでない場所も曇りガラスでは、外の景色を満足に見ることは出来ない。
もっとよく見たい。春の匂い、夏の暑さ、秋の音、冬の寒さを、肌で直に感じたい。
本や図鑑や写真集を捲っては、募っていくばかりの願望。
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梅チョコ(プロフ) - Part1完結しました！ありがとうございました(* ´ ▽ ` *)続編もよろしくお願いします〜！ (2021年3月27日 18時) (
レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
梅チョコ(元Thatn)(プロフ) - ﾋｴｯ……待って……書きかけのお話を非表示でこそっと更新したつもりだったのに出てた……(´；ω；`) (2021年2月12日 20時) (レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
Thatn(プロフ) - トップにそれっぽいこと書いてる癖に、未だ男主くんの術式が出てこないという……ね……あと変な時間の更新多い……(￣▽￣;) (2021年2月2日 13時) (レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
Thatn(プロフ) - 蒼音さん» すみません！ボード見てなくて気付きませんでした……。私もボードの方に返信させて頂きました。長文ですが一読頂ければと思います。これからはボードの方もちゃんと確認します！ (2021年1月31日 8時) (レス) id: 89e33c10ef (このIDを非表示/違反報告)
蒼音(プロフ) - 読まれていない可能性があったので一応、報告を。コメント欄に入りきらなかったので、作者様のボードの方にて意見を書かせて頂きました。方針が決まったのであれば不要な意見になるかもしれませんが・・・。 (2021年1月31日 2時) (レス) id: 70bc04b5ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梅チョコ | 作成日時：2021年1月26日 0時
