よそ見しないで、鉄太くん (ページ10)

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♡♡ ページ10

その日の放課後。

「ここは、この部分がXになるから
　ここがＹだろ？
　だからこうなって…」

真剣な顔して教えてくれる鉄太くん。
尊いです。

「おい、聞いてんのか？」

『あ、ごめんごめん！』

鉄太くん、かっこいい。

「お前さ、昨日半間と
　なんか話してたろ。」

『え？なんで知ってるの？』

そしたらあの半間くんから
ハグされたのももしかして
見られてたの…？

「半間からなんかされてねぇか？」

『な、なんかって…？』

「そ、それは…その…
　あれだよ、変なこととか。
　殴られたりとか…まさかな？」

『そ、そんなことされてないよ！！
　半間くん、見た目に反して
　そんなに悪い人じゃ無さそうだったし…』

すごく怖かったけど！！

「それならいいんだ。」

『どうして…？』

「別に。」

少しの沈黙が流れる。

「ほら、続き。
　ここ解いてみろ。」

…

今日は鉄太くんと2時間くらい
二人きりだったのになんか
そんなに素直に嬉しくなかった…。

ヒナちゃんの存在が
私の心のどこかに
引っ掛かってるみたいで…。

テスト期間も終わり、冬休み前。

ヒナちゃんが鉄太くんと
仲良さそうに話してる。

きっと冬休みに塾で
勉強でもするんだろうな、あの二人。

そんなことを思いながら眺めていると
少し後ろから視線を感じた。

振り返るとそこには隣のクラスの
武道くんがいた。