社長がお呼びです。２

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昼間はお客様と商談とか、
経営のことで色々あって、
デザインする時間は、
夜しか取れないんだ。


社長は大変なんだなあ。


「じゃあ、私も起きときます。
何か飲み物でも・・・」


「それはあかん。
早く寝てくれんと、
心配で何も出来ひんなるわ」


そう言われて、
早く寝るように、
ソファをぽんぽん叩かれた。


「分かりました。
社長もなるべく早く寝て下さいね。
心配だから・・・」


「分かったで？
おやすみな？」


「・・・おやすみなさい」


横になって、
貸してくれたタオルケットをかぶる。


社長、
私が寝るの、待ってるみたい。


だからまた、丸まって、寝たふり。


「なんでこない可愛いねん・・・」


安田社長の低い声の、ひとりごとと、
優しく髪を撫でてくれるその手に、
胸が破裂しそうなの、

ぐっとこらえた。


安田社長が、私から離れる気配。


そろっと目を開けて、
盗み見する。


デスクに座って、
一心不乱にデザイン画描いてる。


かっこいいなあ。


あんな素敵な人が、
私なんか好きになってくれるなんて。


謎だけど、
人生、捨てたもんじゃないっていうか。


晴子の言う通り、人生、
もしかしたら最後のモテ期かも。


私の熱い視線に気付きかけた社長が、
こっち向くから、
慌ててぎゅっと目を閉じて、
寝返り打ったふりで、
壁側を向く。


そのうち、本当に寝ちゃってた。



朝方、お尻に感じる違和感で目が覚めた。

さわさわ、って・・・


それに、足に重しがかかってて、
身動き出来ない。


「く、苦しい・・・」


思わず呟いて、目を開けたら・・・


すぐ隣に、
すやすや眠る安田社長のドアップ。


うわあ。

なんて可愛い生き物なんだ。

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