社長がお呼びです。２

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一番最初にそう言われた。


でも、神山くんとはずっとそんな感じで、
友達付き合いしてきたし・・・

今更、二人きりでは会えない、なんて、
そんな急に困る。


安田社長がすっごく怖い顔してるから、
そんなこと言えないし、

でも、ごめなさい、なんて言えない。


社長だって・・・


麻美さんと出かけてたんじゃないの？


「・・・分かった？」


手首掴まれて、
低い声で聞かれて・・・


怖くて、震えてるのに。


「分かりません。
神山くんは友達だし・・・
だって・・・」


そう、言い返しちゃった。


安田社長も約束してくれる？

もう麻美さんとは会わないって。


それなら、私も、もう他の人とは、
二人きりで出かけたりしない。


ちゃんと言えなくて・・・


安田社長が、おっきな、ため息ついた。


「友達ちゃうやろ。
お前のこと好きな男やろ」


初めて、お前、って呼ばれた。


びっくりして見上げたら、
社長、すごく苦しそうな顔してて・・・


「二度とこんなことすんな。
やないと・・・」


冷たい声で言われて、
涙がぶわあって滲んでくる。


「私のこと嫌いになるの？」


ほんとは言いたいことは別なのに、
気付いたら、そう聞いてた。


「・・・なれたら楽やけど。
なられへんから。
・・・嫉妬して苦しい」


押し出すように呟いた後、
社長が私をまっすぐに見つめる。


「社長が約束してくれたら。
私も約束します」


「・・・約束？」


「もう麻美さんに・・・」


続き、言えなくて。

代わりに、涙だけ溢れてくる。


「嫌だった。
麻美さんに腕、組まれて・・・」


麻美さんがつかまってた社長の腕に、
そっと、指で触れたら・・・


すぐに抱きすくめられた。


「・・・ごめん。
俺の方が傷付けてた・・・」

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