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静かな住宅街を抜けて、
最寄り駅のロータリーに車を停める。
送迎の車で混み合ってて、
少し改札から離れた場所になってしまった。
「章ちゃん、ごめんね」
「ん？何が？」
「お母さんがあんな態度で・・・」
「しゃあないって。
お母さんの気持ちも分かる。
バツイチのこんな年上の男に、
大事な箱入り娘、取られたないんやろなって。
結婚させて下さいって、
また言いそびれてしもて。
ごめん・・・」
「ううん。
お母さんがあんなのじゃ、
切り出せないよ。
本当にごめんね」
「謝らんでええって。
ご飯、めっちゃ美味しかったし、
隼人は可愛ええし。
楽しかったわ。
Aちゃんの悪者になりきってる姿も、
おもろかったし」
「もう！
あれは仕方なくやったの。
忘れて」
「かあわいかったで。
ええママになるんやろなって。
なんか未来が見えた気がして。
幸せな気分になったわ。
また惚れ直した」
そんなこと、言われたら。
胸が瞬間沸騰。
「章ちゃんのブルーレンジャーも可愛いかったよ」
「可愛いて。
また言うてる。
もうええ大人やのに」
「だって、本当に可愛いんだもん」
「生意気な子ぉやな」
笑った章ちゃんが、
素早く、私の頬にキスした。
びっくりして瞬きした時に、
唇に・・・
「おやすみ。
運転、気をつけてな」
「うん。すぐそこだから大丈夫。
章ちゃんも気をつけてね。
また明日ね」
明日、池袋で待ち合わせの約束して、
別れる。
今から、お母さんのこと、なんとか説得しなきゃ・・・
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年9月10日 10時
