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和也は不安そうな顔で翔に問いかける。
「望が倒れてから、
救急隊員が到着して挿管して、呼吸が
確保されるまでの時間が長かったんだ。
その間、望の脳には
酸素が十分に行きわたって無い。
脳は想像以上に繊細な器官なんだ。
少しでもダメージがあれば、障害になる。」
「まだ目が覚めてへんから、
どうなるかは俺らでもわからん。
後は望ちゃんの
生命力を信じるしかあらへんのや・・・。」
渋谷先生の言葉に、また病室の空気が重くなった。
沈黙が続く。
「まぁ、望は大丈夫だよ。
あぁみえて強い子だもん。」
その沈黙を破ったのは、長男の智だった。
「それに翔君が診てくれたんでしょ？
ならだいじょーぶ。
明日になったら、きっと目を覚ます。
仮にさ、もし障害が残ったとしても
おいらたちで支えてあげればいいんだから。」
「そうだな。智兄の言う通り。」
「俺ら５人もいるもんね。
何とかなるよ。」
「希を入れれば６人ですよ。
双子とはいえ一応、
希の方が兄みたいですし。」
「そうだな。
雅兄よりも希の方が頼りになりそう。」
「なんだとぉー！！
ひどくないか潤ちゃん！！」
雅紀が病室で叫んだせいか、希が目を覚ましてしまい、望の所へ行くと駄々をこね始めた。
双子だからか、何かを感じているのか・・・。
「のぞむ〜。
望な、まだ寝てんだ。
明日になったらきっと
起きてくれるからさ。
兄ちゃん達と一緒に待ってような〜。」
智の癒し系ボイスでも一向に泣き止みそうにない希。
しばらくして泣き疲れてまた眠ってしまった。
７歳とはいえ成長の遅い希。
身体機能はいまだに５歳児と同等レベルにしか育ってない。
泣くだけでも、相当な体力を消耗するのだろう。
智の服をギュッと握ったまま眠っている。
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作者名：mio
| 作成日時：2018年2月4日 23時
