第八十二話 ページ33
ざわつく掲示板の前。人がごった返しに自分の名前を白い紙の上で探そうとする。
嘆くもの、喜ぶもの、何も述べず踵を返すもの、複数いる中、後方にたっている私たちは必死に背伸びをしようとしていた。
「あ、奏音の見つけたよー」
「本当？」
「っていうかトップ10から落ちたことないしね」
「でも模試の結果は結構落ちるんだよねぇ」
前回に比べてあまり出来はよくなかった。
8位という順位の下に自分の名前を見つけ、深くため息をつく。いろいろあったから集中欠けてたのかなぁ……。
先生と仲直り出来てすぐに勉強に精は出たものの、勉強というのはやはり一日二日の詰め込みでうまくいくものではない。
また次頑張ろう、と50位という順位の下に名前を見つけた千佳を連れて教室へ戻る。
「でも千佳、今回すごかったね」
「うん、私もびっくりした！50位だって！パパとママに脳外科に連れてかれちゃう」
「そこまでか」
いつもは赤点のラインで高飛びしているような千佳だったが、今回の点数はなかなか高い。道理で中間があった次の週は全教師が千佳をまるで近未来の四次元ロボットを見るような目で見ていたわけだ。
「でもそんなに頑張って、どうしたの？」
「んー……」
かわいいふんわりカールを二つ結びにしていた千佳は、ゆるりと首をかしげて空を仰ぐ。ぷるりとうる艶な唇が少しだけ尖っていて、なるほどこれがキスしたくなる唇かとこっそり納得しておいた。
すると千佳がちらりとこっちを見て、ばっちりと視線が絡み合う。
今度は私が首をかしげると、ふふ、と笑われた。
「奏音が自分の問題よりも私たちの勉強の面倒を優先したから」
「……へ」
「先生とのことで不安定だったのにそれでもいつもの責任感惜しげなく出しちゃって、放課後授業なんて無理しちゃったから」
いい加減自重しなね、と千佳もう一度ふわりと笑う。
それだけのことなのに、なんだかぐっと心臓がつかまれたかのように苦しくなった。
例えどれだけ腹が立つことあろうとも、そして彼女のいろんな部分に嫉妬しようとも、離れず友達でいられるのはやっぱり千佳がこういう性格をしているからなんだろうなと思う。
ありがとう、と小さくつぶやけばデパートで新しくできたジェラート屋さんでいいよ、と笑って返された。
ちなみに教室につけば、怒涛の感謝に襲われた。
どうやらクラスの赤点はひとりとしておらず、全員が全員55位以上に名を連ねることが出来たらしい。
誇らしすぎてちょっと泣いたのは秘密で。
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ayakaさん» Rの要素ございました？ (2020年6月25日 14時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
ayaka - [R]つけてください (2020年6月24日 20時) (レス) id: 6bf9ec98ce (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ゆうきさん» あぁああうれしいです！全力できゅんっと来るような描写をさせていただきます…無駄に多く長い小説をすべて読んでいただき感激のあまり…いや本当に感激です！（語彙力が足りない）ありがとうございます、頑張らせていただきます！！ (2017年6月25日 13時) (レス) id: d48db6c0c1 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - いか糖さん» 本当に長くなりそうなので飽きないって言ってくださってうれしいです……！ワンパターン・テンプレばかりの小説だというのにそんなことを言って下さるなんて…！頑張ります！！ (2017年6月25日 13時) (レス) id: d48db6c0c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - コメント失礼します！先生かっこよすぎませんか！？一話から続けて読んでいますが、先生の一つ一つの動作にキュンキュンさせられてます！こんな先生本当にいたらいいのにな…更新がんばってください！楽しみにしています！ (2017年6月11日 15時) (レス) id: 6c9139a3b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2014年11月14日 20時
