第八十話 ページ31
「……おい、奏音。 夕飯から帰ってきたら、なんで知らねぇ男と逢引してやがる。 他所でやれ他所で」
「……暁、おかえりなさい。 そしてお前は激しい勘違いをしている」
「おねーちゃん、ただいまー!」
「邦月、お前すげぇ可愛い妹いるなぁ」
その点においては同感しますが重要なのはそれじゃないです先生。
「はじめまして、邦月 胡桃です!」
「うん、邦月の妹さんな。 俺は笹塚 拓虎、お前のお姉ちゃんの先生だ」
「せんせいさんなの?」
「ふえあぁ、暁、人見知りの胡桃があんなに元気に自己紹介してる!やばい泣きそうなんだけど」
「ばっか、結構前から出来てるよ……ってかこいつ、お前の先生かよ?家庭訪問ってやつか?」
「恐ろしいほどかけ離れてる」
帰ってきたばかりでゆったりしたいであろう暁のために、未だ食べかけのおにぎりを机の上に放置してお茶を煎れにキッチンへ向かう。
その隙に、我が家の天使胡桃は目ざとく机の上のメロンパンを見つけたようだ。
「おねえちゃん、めろんぱん!」
「あ、そう。 先生からいただいたの。 先生にありがとうございますしてあとで一緒に食べようねー」
「せんせい、ありがとうございますっ」
お行儀よくぺこりとお辞儀した胡桃の頭を、暁は幸せそうな顔で優しく撫でる。
私の表情もきっと今そんな感じだ。
「しっかりしてんなぁ」
感心したように声を上げる先生に、暁は当然だろと腕を組み、私は照れたように頬をかいた。
教育について何もわからないけど、胡桃が悪いくせを覚えないように胡桃の前ではすごく気をつけて行動してるし、すごく重要な礼儀云々については日頃からしっかりしつけている。
教育の賜物だ。
「はい、先生もどーぞ」
「ん、悪いな」
「暁も突っ立ってないで座りなよ。 胡桃はリンゴジュースにしよっか?」
「おねーちゃんおにーちゃんと同じがいい!」
「お茶はまだ熱いよ〜冷めたら飲もうね」
「む……じゃあ林檎!」
うん、本当に可愛い。
先生も胡桃の可愛さにやられたようで口元を抑えながらぷるぷると笑いを堪えていた。
可愛いもの見ると自然に笑っちゃうよねぇ。
「ってか、もうこんな時間か。 悪いな、俺はそろそろおいとまするぞ」
「そうですか?じゃあそこまで送りますよ」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ayakaさん» Rの要素ございました? (2020年6月25日 14時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
ayaka - [R]つけてください (2020年6月24日 20時) (レス) id: 6bf9ec98ce (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ゆうきさん» あぁああうれしいです!全力できゅんっと来るような描写をさせていただきます…無駄に多く長い小説をすべて読んでいただき感激のあまり…いや本当に感激です!(語彙力が足りない)ありがとうございます、頑張らせていただきます!! (2017年6月25日 13時) (レス) id: d48db6c0c1 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - いか糖さん» 本当に長くなりそうなので飽きないって言ってくださってうれしいです……!ワンパターン・テンプレばかりの小説だというのにそんなことを言って下さるなんて…!頑張ります!! (2017年6月25日 13時) (レス) id: d48db6c0c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - コメント失礼します!先生かっこよすぎませんか!?一話から続けて読んでいますが、先生の一つ一つの動作にキュンキュンさせられてます!こんな先生本当にいたらいいのにな…更新がんばってください!楽しみにしています! (2017年6月11日 15時) (レス) id: 6c9139a3b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:∧∧ネコミミ∧∧ | 作者ホームページ:
作成日時:2014年11月14日 20時