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〜A〜
さっきから電話が鳴ってる
「出ていい?」
鳴り止まない着信は不安と焦りと恐怖を表していた
忍田「すぐ切るんだぞ」
「心配しなくても三河さんじゃないですよ。ゴタゴタが終わるまで私と繋がれないもん」
《もしもし?どうしたの?》
龍希《ネイバー。お前何かしたか?》
《何か…はしたよ。撃退したのは私じゃないけど》
龍希《そうか。ありがと。守ってくれて》
《いえいえ。守るのがボーダーの責務なので》
龍希《そうやって義務付けるのは辛くないか》
《辛くても、苦しいわけじゃない》
蓮矢『愛してる』
三河『愛せない』
《“誰か”の言葉の本質を見るのはやめたんだ。見るのも考えるのもしなかったから、世界は平和だよ》
龍希《愚鈍で浅はかなフリをするということか》
《そうだよ》
龍希《それは……寂しいな》
《慣れてしまえばそういう世界も楽しいよ》
龍希《俺は絶対認めない。お前1人が傷ついて守る世界を。犠牲の上で成り立つ平和なんて》
《分かってないな龍希さんは。今の三門市の平和は、
龍希《そうやって常に責任を誰かに押し付けないといけないのか》
《みんながみんな。龍希さんみたいに全てを許せるわけじゃないよ
罪を憎んで……ってやつが成立するなら、この世界は故意に人を殺してもいいって事になる》
龍希《それは一種の言葉のあやというものだろう》
《けど龍希さんは許す。目の前で大切な人を殺されても。それは龍希さんの良いとこなんだよ
失った痛みさえ糧にして前に進む。私は……きっと“許さない”
許せるかと聞かれれば本当は許せる。でも許せば、私の生きる存在理由がなくなる。だから私は許さない道を選ぶんだ。例え仕方のない事だったとしても……》
龍希《それがお前が……蓮矢さんを父親として見なくなった理由か》
《うん……どうだろ。“真実”を知った今、どうしたらいいんだろうね》
龍希《真実?》
《よく言うよね。死人に口なしって。今現在。あの日の“真実”を知ってるのは私と三河さんだけだよ
なんでこう人はさ。精神的に参ってる時に語っちゃうんだろうね》
龍希《なら全部話せばいいだろう。そしたら楽になる》
《そんなに知りたいならボーダーに入りなよ。そしたら全部教えてあげるよ》
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李詩(プロフ) - ヤバい…三河さんが好きすぎる… (2019年10月22日 16時) (レス) id: 085be6f2b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まゆ | 作成日時:2019年7月10日 23時