１４３: いつか ページ43
「で？こんな所で何をしてるの」
月「眠れないから出て来ただけだぞ？」
「まぁ知ってたけど」
なんだよ〜、と笑うレオくんの髪が、月明かりに透ける。キラキラ光って見えるその髪の毛を撫でて、視線を落とした。
「あ、これ！」
月「ん？あ〜そうそう、返そうと思ってな」
「忘れてたよw てゆーかこんなに綺麗に畳めるんだ？すごいね」
月「ルカたんがやってくれた！感謝しろよ〜っ」
「ありがとうって伝えておいてね」
いつか持たせた、折り畳み傘。僕は存在すら忘れていたのに、よくレオくんが持っておけたものだと感心する。
月「もし来ないって言ったら、それを理由にしようと思って持って来た」
「最初から拒否権は無かったのか…」
わはは☆と笑い出すレオくんと一緒に笑うと、誰も居ない公園に反響して返ってきた。
静まり返った公園に、２人して寝転ぶ。
月の光は柔らかくて、太陽とは違いずっと見ていられる。どんなに見ていても、その光に目が潰れたりはしないのだ。
その程度には身近な存在だったはずのレオくんを、あんな言葉で壊したなんて。今、隣に並んでいると実感できない。
月「……なんで、Knightsから抜けちゃったの？まだKnightsにいたら、また一緒に歌えたのに…」
「あの時の僕は馬鹿だったからね。レオくんを壊しておいて、ここにいる資格なんかないって思ったんじゃない？」
月「ばーかばーかっ」
「こらw」
また笑い声が響いて、消えていく。
しばらく２人で話した。何の意味もない、くだらない話。かなり長い時間だったのに、その間、レオくんは作曲をしなかった。
ただ寝転んで、月を眺めて言葉を交わす。
たったそれだけの事が、彼といる時はとんでもなく尊いものに思える。
やがて沈黙が訪れた。それと同時に、レオくんが体を起こしてマフラーに顔を埋める。
月「そろそろ帰んないと。補導されるのはちょっと困るしな」
「君が言う？…まあ、ごもっともだけど」
月「よしっ、帰ろう」
「うん」
レオくんに手を取られて立ち上がった。
並んで歩き出すと、レオくんがハッとしたように僕を見た。
月「マフラー！返さないとっ」
「ああ、いいや。持ってて」
月「えっ、なんで？」
「……いつか、それを理由にして会えるかもしれないじゃん」
そう言うとレオくんはキョトンとして、それから溢れるような笑顔で頷いた。
いつか、なんて不確かなものに縋っても、彼の側に居たいんだと、思う。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
