8 朝練 ページ8
「ほら龍之介、起きろ。２人ともいるぞ」
「やっぱキッツイな〜５時は。まだ暗ぇよ」
段々と白み出している寒空の下で、驚いてこちらを振り向く２人に手を振った。
「! ? 先輩！？」
焦った表情を見せる２人に安心しろという意を込めて微笑むと、龍之介がニヤリと笑ってポケットから手を出した。
「７時前には切り上げろよ？」
その指先に引っかかっている物を見て、２人は分かりやすく目を輝かせる。
「田中さああん! !」
「あざス! !」
「わはは！なんて良い先輩なんだ 俺！」
「はーい鍵貸して」
田中先輩云々…の会話を横目に、龍之介の手から鍵を取って扉を解錠した。
外と変わらない極寒の体育館に足を踏み入れて、昨日の大地さんの言葉を思い返す。
『影山は中学生としてはズバ抜けた実力を持ってた筈なのに、いまいち結果を残せていない。そんであの個人主義じゃ中学のリピートだ。
でも中学と違うのは、今影山と同じチームに
日向が居る』
主将は、単体では不完全なあいつらでも才能を合わせれば
『連携攻撃が使えたら
烏野は劇的に進化する。そう思わないか？』
生き生きした表情でそう問うてきた。日向のプレーは見たことないから何とも言えないけど…主将が言うならきっとそうなのだろう。
そう思って扉の方を見ると、本当に出来るのか不安になるガキの競り合いが勃発しているけど。
約一時間後___
色々あってスガさんも練習に加わり、スパイクを打つ音が響き始めた頃。
舞台の端っこに腰掛けて見ていた俺のところに、翔陽が笑顔で駆け寄って来た。
「Aさんは練習しないんですか？」
「あ〜……朝の激しい運動って心臓に負担が掛かるからさ。軽くなら」
「Aは体が弱くてさ、朝は控えてるんだよな。日向、レシーブ練なら俺が相手するよ」
スガさんに手招きされて駆けて行く翔陽を見送って、トスを上げる飛雄に視線を移した。
羨ましい…とは思う。あんな風に、自分の好きなだけ沢山練習できるというのは。
俺は出産予定日よりかなり早く産まれたために身体が不完全な未熟児だった。
なのに身長が伸びてしまったから、他の人より身体に掛かる負担が大きい。
倒れたら兄さんに心配をかけてしまう。それは本意じゃないし、朝は我慢することにしているのだ。
大きくならなければ或いは……なんて、翔陽が居る手前言えないけど。
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瑠璃烏(プロフ) - 麗さん» 本当だ！！！コメントに気付くのが遅れ申し訳ありません！まさかこんな間違いがあるとは…！ご指摘、有難うございます。 (2020年11月6日 13時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 猛虎です。武虎になって別人が出来上がっていらっしゃいます。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 龍之介です。龍之助ではないです。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
幸ぴろ - 瑠璃烏さん» 続編!？やったぁ！嬉しいです！ (2020年2月10日 7時) (レス) id: ba2c8d8630 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 幸ぴろさん» 典型的な��落として上げる��方式ですね(w)続編いきますので、まだまだお楽しみ下さい！ (2020年2月7日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 x他1人 | 作成日時：2020年1月17日 3時
