7 迎え ページ7
.
「はぁ……龍之介。何しようとしてるかは大体分かるけどさ、やめといたら？」
「なっ、何をだよ！」
「分かった分かった。心配だから俺も着いてく。朝何時？」
「ほんっとに何で分かったんだよお前ぇ！」
分かりやすいから、というのは言わずにスマホをスクロールする。
今の状況を簡潔に説明すると、勝負をすることになった。
外にいた２人が主将に勝負を持ちかけ、１年の力量を見定めるためにも丁度良いからと承諾されたのだ。勝負は６日後。
思わず笑ってしまうような２人の発想にポカンとしていたのも束の間、今度は龍之介が良からぬことを企てているようで。
自分から鍵の管理を申し出た時点で分かったけど、丁度校門を出るところで口に出した。
「あ…悪い、兄さんが迎えに来てくれるみたいだからここで」
「おお、そっか。じゃーな！」
「主将、スガさん、お疲れ様です」
「気をつけて帰れよ〜」
さっきとは打って変わってにこやかな主将に小さく頭を下げて、兄が待っているであろう場所へ緩く駆け出した。
「兄さん、お待たせ」
「おお、お疲れ。早く帰ろう」
「うん」
つかまえてくれていたのだろうタクシーに、姿勢を低くして何とか乗り込む。
大学から帰るついでに寄ってくれたらしいけど、タクシー使うなんてお金が勿体ないし…まさかずっと待っていたのでは？
俺の手をとって冷えてるなぁと摩る兄に、北川第一の��コート上の王様��こと飛雄と、中学最後の大会で当たってボロ負けしたらしい翔陽のことなど、今日のことを話した。
「すごい面白い奴らだった。あと、翔陽の方は��小さな巨人��みたいな子だったよ」
「へぇ…小さいの？」
「あの頃の兄さんよりも小さい。でも身体能力が高くてスゲェとぶって聞いたし。まあ今度のゲームでまた見られるんだけど」
「そっかぁ、見てみたいな」
「いつか試合に呼ぶよ」
楽しみにしてる、と笑う兄さんの手を握り返すと、俺に負けず劣らず冷たかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 242人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃烏(プロフ) - 麗さん» 本当だ！！！コメントに気付くのが遅れ申し訳ありません！まさかこんな間違いがあるとは…！ご指摘、有難うございます。 (2020年11月6日 13時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 猛虎です。武虎になって別人が出来上がっていらっしゃいます。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 龍之介です。龍之助ではないです。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
幸ぴろ - 瑠璃烏さん» 続編!？やったぁ！嬉しいです！ (2020年2月10日 7時) (レス) id: ba2c8d8630 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 幸ぴろさん» 典型的な��落として上げる��方式ですね(w)続編いきますので、まだまだお楽しみ下さい！ (2020年2月7日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑠璃烏 x他1人 | 作成日時：2020年1月17日 3時
