48 決意 ページ48
日向side
「ねぇ先生、俺はさぁ、生きていたいんじゃないよ。バレーをやりたいんだ！」
突然病室から聞こえてきた大声に、全員の肩がビクリと跳ねた。ガラガラと開けられた扉の向こう、ベッドの上で苦い顔をするAさんを涙を流しながら見つめる。
_____数分前
正直、Aさんの体はそんなに悪いように思えなかった。
いつだって笑っていたし、普通に走ったりもしてたし。
頭を撫でてくれる大きな手はいつでも痩せているように感じてたけど、少し咳き込んだくらいで止めるのは大袈裟だなぁって思ってた。
でも、今回の一件でようやく分かった気がする。
「心臓が元々皆んなとは違ってね。欠けがあって、それを治しに東京へ行ったんだけど…後天的な病気の方は治りきっていないんだ」
「今回のはその発作、という事ですか…？」
「ご名答。元来体が弱いというのもあって今は薬で何とかしている状況なんだが…それなりに副作用もあるから、長く持つかどうか」
キャプテンの質問に平然と答えたお医者さんを見て、思わずぎゅっと手を握りしめた。
そんな状態なのにバレーをやっていたなんて、流石におれでもやばいって分かる。
肺が強い訳じゃないから何度も咳き込んで、いつ倒れてもおかしくなくて…
それなのにバレーを続けたいなんて、確かに武田先生は止めるに決まってたんだ。
_____Aside
「なっ…ちょ、何でお前ら泣いてんの…！？」
「うわあぁぁあんA〜〜っ！！」
「A〜〜〜っっ！！」
「Aさぁああんっ！！」
「お前らここ病院だから！」
涙を滝のように流しながら飛びついてくる龍之介とノヤ、翔陽を抱きとめて笑いながら注意する。
翔陽の背中をさすりながら、柳田先生の顔を見上げた。
「A、前にも言った通りドクターストップは容赦なく使わせて貰う。制限も付ける。それでも続けたいなら、私は文句を言わないよ」
「A…」
肩に手を置かれて、見上げると心配そうな兄さん。兄さん、武田先生、柳田先生、そして主将の顔を順番に見つめて口を開いた。
「……バレーは…やめる気は無いです。続けさせて下さい」
「無理しない程度にな」
「うっす。途中で抜けてすみませんでした、主将」
「お前が気にすることじゃないよ。お疲れ様」
優しく微笑む主将を見上げて、こみ上げる涙を飲み込んだ。
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瑠璃烏(プロフ) - 麗さん» 本当だ！！！コメントに気付くのが遅れ申し訳ありません！まさかこんな間違いがあるとは…！ご指摘、有難うございます。 (2020年11月6日 13時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 猛虎です。武虎になって別人が出来上がっていらっしゃいます。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 龍之介です。龍之助ではないです。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
幸ぴろ - 瑠璃烏さん» 続編!？やったぁ！嬉しいです！ (2020年2月10日 7時) (レス) id: ba2c8d8630 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 幸ぴろさん» 典型的な��落として上げる��方式ですね(w)続編いきますので、まだまだお楽しみ下さい！ (2020年2月7日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 x他1人 | 作成日時：2020年1月17日 3時
