13 憂い ページ13
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咳が止まらなくなったせいで折角の練習試合に遅れて行くしかなくなったことにムッとしながら、Aが口を開く。
「……先生、前にも言ったでしょう」
「ギリギリまで待つと言っても、そのギリギリがどこか分からないんだよ。待っていたら…」
「万が一が起こるかも、でしょう？知った上で言ってます。意見は曲げません」
白衣を身に纏い眼鏡の奥の目を細める医師、柳田を、Aはジッと見つめ返す。
柳田はその視線に負けて、呆れ笑いを浮かべながらため息を吐いた。
「分かった。でもいざとなったらドクターストップは容赦なく使わせてもらうからね」
「えぇー…先生俺がどんだけバレー好きか知ってるでしょ？酷い。薄情者」
「こらこら、医師にそんなこと言うんじゃないよ。じゃあ薬出しとくから早く帰りなさい。お兄さんが心配してるだろうから」
Aはフワリと笑顔を見せて、移動式の青い椅子から立ち上がる。ワガママな患者を抱えた柳田は、努めて優しい笑顔でその背中を見送った。
その背中が見えなくなったところで、手元の資料に目を落として眉を顰める。
「可哀想に…」
その呟きには、はっきりとした憂いが含まれていた。
ーーー
「あ、武田先生」
「ああ、宇内くん！お兄さんも。待ってましたよ」
「じゃあA、無理しないように」
「うん、行ってくるね」
兄に笑顔で手を振り返して、武田先生に駆け寄る。並んで歩いて行った先には、烏野と比べると雲泥の差の綺麗な体育館。
青葉城西は私立だから、こんなに綺麗な体育館があるんだろう。
その建物を見上げて扉を開こうとして、視界の端に映った人影に動きを止めた。目が合ったその人物を見つめたままで、ぼんやりと口だけ動かす。
「……武田先生、先に行ってて下さい」
「え？あ、はい。何か用事ですか？」
「まあ、ちょっと」
直ぐに来て下さいねと言う先生に頷いて扉から手を離し、目の前の彼に話しかけた。
「お前……公園の…？」
「え…そういう君はやっぱり」
「あれっ…そういや名前聞いたことないな？」
見覚えのある彼は、幼い頃公園で一緒にバレーをしてくれた、名前は知らない友達だった。
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瑠璃烏(プロフ) - 麗さん» 本当だ！！！コメントに気付くのが遅れ申し訳ありません！まさかこんな間違いがあるとは…！ご指摘、有難うございます。 (2020年11月6日 13時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 猛虎です。武虎になって別人が出来上がっていらっしゃいます。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 龍之介です。龍之助ではないです。 (2020年8月25日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
幸ぴろ - 瑠璃烏さん» 続編!？やったぁ！嬉しいです！ (2020年2月10日 7時) (レス) id: ba2c8d8630 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 幸ぴろさん» 典型的な��落として上げる��方式ですね(w)続編いきますので、まだまだお楽しみ下さい！ (2020年2月7日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 x他1人 | 作成日時：2020年1月17日 3時
