１２: どう映っているの ページ12
レッスンが終わり、皆んながそれぞれの帰路に着いた。
まだ太陽が沈みきっていない、橙、赤、紫、青の美しいグラデーション。
何気ないその光景に見とれて、ぼんやりと歩いていた。
零「A？ぼーっとしていると危険じゃぞ。」
「えっ？あ、うんっごめんね」
零「気を付けてくれればそれで良いのじゃけど…どうかしたのかえ？」
「空に見惚れてたの。ふふっ…可笑しいでしょ」
私がそう言うと兄さんは、眩しくて堪らないことを隠さずに目を細め、少しだけ空を見上げた。
赤い瞳が捉えるこの美しい空はどんな風に映っているのだろう、と不意に気になって横顔を見つめた。
どうしたらこんなに綺麗な顔に生まれてこれるのか不思議に思えてきて、すぐに視線を逸らす。
しかしその前に、零兄さんの双眸が私を見た。
零「なんじゃ？」
「何でもないよ。兄さんってどうしてそんなに綺麗な顔なんだろうって思ってただけ。」
零「ほう…。嬉しいことを言ってくれるのう」
「本当のことだよ？」
零「くくっ…そうかえ。」
優しい眼差しが、私を包むように微かな熱を帯びる。
その表情にまた、鼓動が速まった。
少しの間見つめ合い、私が口を開こうとした瞬間に震えたカバン。
ハッとして、スマホを取り出す。
掛けてきた相手の名前を見た瞬間、さっきとは違う意味で胸が高鳴った。興奮した。
「お母さん！」
母「A、久し振りね。元気にしているようで何よりだわ。」
「うん！毎日楽しいよ。そっちはどう？上手くいってる？」
母「ええ。大丈夫よ。」
「お父さんは？」
母「ふふっ、いつも通り。ヴァイオリンを弾いてるわ。」
「相変わらずなんだねw」
１ヶ月ぶりに聞いた母の声は優しくて、歩きながら色々な話をした。
学院でのことや、零兄さんと凛月のこと、ピアノのこと。
簡単に約束を破る人は嫌いだって思っていても、やっぱり母の事は嫌いになれないんだと、そう実感した。
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瑠璃烏(プロフ) - 十六夜 桜さん» ありがとうございます！もう何と言いますか…インスピレーションが湧かなくて（ ; ; ）何とか書いておりますので、もう少しだけお待ち下さい！ (2020年1月6日 12時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 桜(プロフ) - とても素敵な作品ですね！続きを楽しみに待ってます！零推しには嬉しいですね。(零の小説があまりないので) (2020年1月6日 1時) (レス) id: 12d90357d6 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - みーこさん» 長い間の更新停止、すみませんでした！お言葉、恐縮です。頑張らせていただきます！o(｀ω´ ) (2019年11月16日 14時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - すごい好きです！更新待ってます！ (2019年11月13日 8時) (レス) id: ad66a60e86 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 紅さん» 閲覧頂きありがとうございます！ご指摘、その通りでございます(>_<)勉強の合間に書いたもので…！痛み入ります、すみません！ (2019年9月16日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年9月4日 9時
