25 恐怖 ページ25
.
蜘蛛、蜘蛛、そして蜘蛛…!
足音カサカサ煩いっ!
絶え間なく耳に届くその音に段々と苛々し始め、八つ当たりのように善逸に言葉をぶつける。
「ねえ善逸ここって蜘蛛しか居ないわけ腹立ってきたんだけどそしてカサカサカサカサ気持ち悪いんだけど!!」
「俺も腹立ってるんだよ!炭治郎も伊之助もどっか行っちゃうし!禰豆子ちゃん連れて行っちゃうし!」
「何で炭治郎と禰豆子ちゃん知ってるの!それより煩いんだってば蜘蛛っ!!」
「ほんとだよ静かにし………」
「「!!!!!!?????」」
人面蜘蛛……?
「「こんなことあるーーーーっ!!??!」」
2人分の絶叫が、那田蜘蛛山に響き渡った。
ーーー
なんで…なんでこんな事に……
気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
蜘蛛に噛まれた?いつ?さっきチクッとした痛みが走ったのは蜘蛛に噛まれたからだった?
駄目だ…駄目だ駄目だ。冷静になれ。
こいつらは鬼だ。殺さなきゃ…殺さなきゃ…
そう思うのに、体はガタガタと震えるばかりだ。
善逸が木の幹を挟んで向こう側にいる。善逸も泣いてる。
泣いてる…
守らなきゃ…私が、私がやらなきゃ。善逸を、私が…!
そう思って髪の毛をグシャリと乱す。その瞬間、ハッとした。
「……髪の毛…抜けてる…?」
「ヒィイィッ!さっき説明しなかったなアイツぅ!!」
おじ様が、「綺麗だな」って毎日のように梳かしてくれていた長い髪。
ずっとずっと綺麗にしていたのに。またおじ様に会えた時、綺麗だって言って貰うために。
「殺さなきゃ…やらなきゃ……私がやらなきゃ…」
声に出しても、体はガタガタと震えるばかり。いつものように意識が途切れていつの間にか鬼が死んでいる、という状況にならない。
『怖い』気持ちの方が勝ってるんだ…
涙がボロボロと零れていく。その時、幹の向こう側で…
「善逸!?」
善逸が、失神した…(?)
落ちていく善逸に必死に手を伸ばしたけれど届かない。
あれじゃ頭から落ちて死ぬっ…!
「善逸ーっ!!」
叫んだ瞬間だった。
「雷の呼吸 壱ノ型」
「!」
その瞬間、思う。
ここは善逸に任せて大丈夫だ。
「善逸!私は炭治郎の所へ行く!探しに行く!任せるよ!」
聞こえているのかいないのかは分からないけれど、あの気持ち悪い大きな蜘蛛の鬼からさっさと離れるべく跳躍した。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
79人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
瑠璃烏(プロフ) - 澄葉流さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年2月27日 11時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
澄葉流(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 73c9d55ae5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠璃烏 | 作成日時:2020年2月26日 16時