冷えていたはずの頬 ページ40
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脱走に体力を使い果たし、萎びた葉野菜のようになった快斗くんを優先的にソファに座らせ、情報共有を開始した。
「はい、ではまず、自称IQ400の快斗くん！ 病院を抜け出したことについての弁明は」
「いやいやいや、まずはAからだろ。あと自称じゃねえし！」
「なんかむかつく」
千影さんは未だ思い出し笑いをしているため会話に参加できていない。それにしても自分は天才だって言っているぞ、この人。
……そうだ。
「お昼ご飯は焼き魚でいい？」
「ひっ」
思ったとおりの快斗くんの可愛らしい反応、いただきました。にやける口をあえて隠さずに、びくびくしながらも恨めしそうな快斗くんに向けてぐっと親指を立てた。
・
ーー朝の凍えるように冷たい空気が頬を包み、体感気温を下げてゆく。
寒さのためか、異常にバッテリー残量が減り続けるスマホを見ながら交番へ駆け込んだ。これ以上冷たい風が入らぬようドアをきっちり閉まったのを確認し、はあはあと乾いた息を整えた。吸ったときの空気が暖かくて、強張った体から力が抜けていく。奥に目を向けると2人の警察官の驚いた表情が見えた。
「……あの、この毛布、よければ使ってください」
そういって片方のお巡りさんが毛布をわたしに差し出した。かじかんだ指が思いどおりに動かないので両手で受け取り、丁寧に畳まれた毛布をゆっくり広げる。
「ありがとう、ございます。さむかったので、うれしいです」
上手く喋れないのを隠すように、広げた毛布を頭からかぶった。
……あの、どういたしまして、と毛布をくれたお巡りさんが困ったようにチラチラと視線を寄越し、それを見かねたメガネのお巡りさんが口を開いた。
「どういった要件でここにいらっしゃったのですか？」
営業的な爽やか笑顔を浮かべたメガネのお巡りさんが椅子に腰掛けたままなので、座れということなのだろう。机を挟んで向かい合った椅子に座る。毛布を貸してくれたお巡りさんは恐る恐るといったうように口を開いた。
「……あの、お茶、用意してきます」
「あっ……お願いします」
なんて気の利く方なのだろう。
その気遣いが、すごく嬉しい。冷えて固まっていたはずの頬が思わず緩んだ。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - ちょっと内容を変更しました。97から100話、もう一度読んでいただけたら嬉しいです。それでは、今度こそ続編の準備をしてきます！ (2020年5月23日 18時) (
レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - お久しぶりです。100話が終わり、次章へと進みます。主人公の心の成長を伝えられたらと思って書いていますが、なかなか難しいですね。次章では、大きく分けて三つの問題について主人公が悩みます。それでは、ハッピーエンドへ進めるよう準備してまいります！ (2020年5月18日 14時) (レス) id: 768bd78820 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんばんは、たんぽぽ珈琲です。コロナウイルスで色々と状況が変化していますが、動かなくていいのだと思って、お菓子を作ったり編み物をしたりと、有意義な時間を過ごしていました。平和ボケしているかもしれませんが、みなさんもこの時間を楽しめていたらと思います。 (2020年4月8日 19時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明けましておめでとうございます！先ほどスケート滑って転んで手首腫れて痛くて包帯まいてもらった作者です。本日更新したおはなしは「言えずにいたこと」です。最後となりましたが、今年もよろしくお願いします！ (2020年1月5日 13時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - こんにちは、作者です。生活に慣れてきたので、そろそろ更新しようかなと思っています。お待ちくださっている読者さま、ありがとうございます！ 初めて投稿した作品なので辻褄の合っていない部分などありますが、完結させたいと思います。以上、告知でした！ (2019年9月18日 10時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぽぽ珈琲 | 作成日時：2018年10月28日 14時
