【名探偵コナン】あの店員の隠しごと

特製ミルクティー ページ9

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どんなに運が悪くてもそんな事は起きないでしょ、と危うく口から飛び出そうになった。


「あはは。びっくりした。ふぅ、こんな事初めて」


よっぽど恥ずかしかったみたいで顔を赤くしたまま床に落ちた布巾を拾おうとして私の存在に気づいたらしく、また布巾を踏みそうになった。そんな彼女を見ていられないので、近寄って声をかける。


「えっと、Aちゃん、大丈夫？手、貸すよ」


Aちゃんは蘭ちゃん初めまして、なんて片手で布巾を握り締めながら言っている。ちら、と下を見るとコナンくんは何故か『娘にお友達ができて嬉しいお父さん』みたいな顔をしている。


「よろしくね、Aちゃん」


梓さんから聞くには、ドジったのは今日だけらしいAちゃん。Aちゃんを見ていてちょっと疲れちゃったので一旦カウンター席に座ってメニューを眺めた。
ハムサンド２つと、ミルクティーとオレンジジュースを安室さんに頼むと、安室さんはすぐにハムサンドを作り始めた。

ミルクティーはAちゃんが作るみたいで、冷蔵庫から冷たい牛乳を取り出して計量カップで測り、小さなお鍋に流し込んだ。カチ、チチチ、と火をつけて、中火に調節する。牛乳がふつふつと温まって来たら、良い香りのアールグレイの茶葉が入ったティーパックを可愛い缶から出して温かいお鍋にポト、と落とす。それからヘラで底をこするようにゆっくりとかき混ぜると、真っ白な牛乳の色からミルクティーの香ばしい色へとどんどん変わっていく。

思わずわぁ、と歓声が漏れる。香ばしい香りが鼻をくすぐる。

赤の可愛いマグカップに注ぐと、小皿に角砂糖を３つ添えて出来上がり。


「Aの特製ミルクティーです。どうぞ」

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