幸せと隣り合わせの ページ18
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「梓さーん、遅れてごめんね！」
「Aちゃん！心配したんだからね！」
ごめんなさーいと言いながらAは梓さんにだきつく。
いや、客もいる人前だぞ？
まったく……と呟いた時、きゃっきゃしている二人を自分がジト目で見ていたのに気づいた。
急いで『安室透』の顔に戻す。
そして誤魔化すためにさっさとエプロンを身につけてから営業スマイルで客に対応する。
「いらっしゃいませー！」
三人の声が重なり、店内が賑やかになる。Aは注文を受けたり、食べものを届ける。そしてミルクティーの注文が入れば火を使う。その間は僕や梓さんが接客を担当する。
たまに、ハムサンドを届けるのが僕じゃ無いことを理由にクレームを入れる客ーー僕のファンである女子高生らが来店する。ものすごい勢いで、しかも小声で怒鳴って来る客をAはのらりくらりと上手くかわす。
大抵「あんた、安室さんのなんなの！」と怒鳴りつけて来るのだが、Aは「わたしは、梓さん一筋なので、ご安心を！」と得意技である太陽のような笑顔で返す。
逆に、「安室さんと梓さんのやりとりを見てると癒されませんか？」なんて言って彼女側に引きずり込む。安室さんと梓さん。略してあむあず……だとか。
「またのご来店をお待ちしています！」
トリプルフェイスのこの僕でも、時々彼女のことを尊敬してしまう時がある。
……真似は出来ないけれど。
。
「あー幸せー」
Aが幸せそうに目を瞑り、ハムスターのようにもぐもぐとハムサンドを頬張る。
そんな幸せそうに僕が作ったものを食べられると、女慣れしている僕でも照れる。
「本当に美味しいですよ安室さん！」
梓さんまでこうだが、ここはぐっとこらえて対応すべきだ。
「そんな、まだまだです」
「透さんお嫁に来てー」
「婿ならまだしも嫁は無理だよ」
「透さん結婚しましょう！」
ホント、冗談でもやめてくれ。
僕が捕まる。
それでもこのやり取りは結構楽しい。
そう思いながらもどこか恐怖心を感じる自分がいる。
この小さな素朴な幸せが、いつ無くなるか？
それは誰にも分からないんだ。
僕は自分にそう言い聞かせる。
何度も何度も。
そうなった時、どん底に陥らないように。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーんいつのまにか30万hit超えてたー。嬉しいです。ありがとうございます。これからも名探偵コナンの夢小説盛り上げていきましょー！ (2020年12月14日 22時) (
レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明里香さん» 誤字の指摘、ありがとうございます。お恥ずかしい限りです……。明日までには直しますね。 (2018年11月18日 19時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - タイトルの掛け、「賭け」ではないですか？ (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 特製ミルクティーの話、誤字がありました。「こんな事始めて」ではなく、「こんな事初めて」です。 (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» きゃー！そう言って頂けて嬉しいです！！更新頑張ります！ (2018年10月13日 22時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たんぽぽ珈琲 | 作成日時：2018年8月23日 3時
