藤柱は何か抱えてるようです

昔話 ページ1

昔話をしましょうか。

ある所にとても仲のいい夫婦がおりました。

その夫婦はある事情を抱えており、

妻の方は、子供を産むのは不可能だと言われておりました。

だがしかし、ある日、妻に子供が出来たのです。

夫はとても喜びました。

夫は鬼殺隊という鬼を殺す立場にありました。

しかし、この夫婦には大きな秘密がありました。

誰にも言ってはならない。

そう、妻の方は鬼だったのです。

夫はそれを知っていました。

本来なら鬼と人間に子供は産まれない。

しかし、その子は例外でした。

それを知っていた村人も鬼殺隊の隊員も誰1人、この夫婦の秘密に気づくものはいませんでした。

その子ですら。

その子は自分の中に流れてる鬼の血のことなど気づかなかったのです。

夫婦は少し可哀想に思いましたが、人間として育てることにしました。

他の子と同じように

なるべく普通の子に育つように。

しかし、ある日事件が起こったのです。

それは、その子供の誕生日でした。

子供は両親と出かけていて、

帰ってきた時、家は驚く程禍々し雰囲気に包まれており、

そこにあったもの全てが壊れていました。

夫婦はそれが何を意味するのかすぐに察しました。

"ああ、あのお方がいらっしゃったのだ"

皆が呆気に取られていたその瞬間

子供の前にふと何かがものすごい速さでとんだ。



そう、夫の首だった。

妻は一瞬で鬼の姿に変わり、

子供を守ろうとした。

いや、子供を逃がしたのだ。

子供がまだ伍の時だった。

子供は何も分からないまま

家から逃げた。

そこであったのが、

今の師である鱗滝左近次だった。

彼は子供が少しづつ紡いでいく言葉で

全てを察した。

そして、それがどれだけ残酷な事なのか、まだ理解出来ていない子供を見て心が苦しくなった。









「これからはお前は私の子供だ。」




ここから物語は始まった。

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