ケモノ阿吽のいる暮らし。2冊目

しでかし五色くん。 ページ45

五色side






今日の部活のラストはサーブ練。

2人1組で100本ずつ交互に投げる練習。

正直パワーよりはスタミナが大事になるので、

最初から全力で行くと60本くらいで燃え尽きる。


現在40本。


10本ごとにローテーションで相手が変わり、

相手は山形さん。


「全力で打ってこーい！」


なんて言われたからにはしないと気が済まない。


「行きますよ！…ﾊﾞｼｰﾝ‼…あっ」


『へぶっ』





威力は申し分ないけど軌道を考えてなかったぁぁ！！



空を切ってギャラリーでビブスを干していた

A先輩にフィジカルヒット。

しかもA先輩吹っ飛んじゃった！



ど、どうしよう…



「A先輩！？すみません！！」


『…だ、大丈夫だよー、ｲﾃﾃ 凄い威力じゃん』


…絶対大丈夫じゃない(本能)


部活終わりのまとめ中、

先輩は氷のうを頭に当てながら

先生の話を聞いていた。

「周りちゃんと見ろ！」って監督に言われて

少し凹んでいた。


「A？」


『うっ…れ、獅音』


「今日泊まるからな」


「はーい…」


怪我をすれば必ず大平さんがA先輩の家に

泊まって介抱するらしい

(前作 大平さんが看病しにきた。参照)。





…いやこれ完璧に俺の責任だ…！！





「A先輩！」


『ん？工どしたの？』


「俺も泊まっていいですか！」


『いいよ〜』


「お前も泊まるのか？」


「流石に本人が行かないのは気が引けますから！」


「本心は？」


「…泊まりたいです(小声)」


『えらいな工ー、英太なんか「すまん」の

一言だったよ。まぁそのあと

◯INEでめちゃくちゃ謝られたけど』


俺の頭をなでる先輩。


「行くぞ」


「はい！」


『はーい』







ーーーーー





「わん…」


『大丈夫だよ、不治の病じゃあるまいし』


「うぅ、ごめんなさい…」


「A、りんご使うぞ」


『良いよ良いよー』


「みぃ」


『おー、いっせー…ドジった。』


「いやA先輩は悪くないです！俺です！

いっせー、叱るなら俺を！」


「んみ“ぃっ」ｼｬｯ


「いったー！？」


『あぁコラいっせー』


頬を引っ掻かれた。

そのあとから俺がA先輩に近づくと

いっせーは「こっち来んな」オーラを

発していた。

おまけに大平さんに「ドンマイ」と同情された…！

いっせーの友達。☆おためし→←悪夢襲来。その3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す