29話 ページ29
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「ん…」
僅かに差し込む陽光に、重い瞼を何とかこじ開ける。そこには見慣れた天井が広がっていた。
眠気眼をゴシゴシと擦るとのっそりと起き上がった。
昨夜一緒に寝ていたであろう炭治郎はパンを焼く為に既に下階へ降りていたようでその場にはいなかった。
寝癖のついた髪を適当に手櫛で梳かしながらひとつ欠伸をして、制服の仕舞ってあるクローゼットの取っ手に手を掛けたその時。
「おはようA!朝だぞ!」
ガチャンという効果音と共に炭治郎がAの部屋に入って来た。Aは朝から元気な弟を怪訝そうに見る。
「おはよー…朝からうるさいよ…」
「今日もAは可愛いな!」
Aは言葉のキャッチボールができなくなった弟をじとっとした目で見ながらスカートとワイシャツを手に取った。
炭治郎の大きな声は寝起きの頭にガンガンと響く。
「着替えるから出てって。」
「別に双子なんだからそんなの気にしなくて」
「 出 て っ て 。 」
「そ、そんなに言うなら仕方ないか…」
少しだけしょんぼりとして、炭治郎は早く降りて来いな!とAに伝えてから部屋の扉をガチャリと閉めた。
いくら双子と言えど男女は男女。
着替えを見ても何故大丈夫なのか。
Aは度を超えた炭治郎のシスコンに今日も今日とて溜め息をついた。
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「お姉ちゃんおはよう!」
「おはよう禰豆子。」
「お姉ちゃん、ちょっとだけ寝癖ついてるよ。」
「あ、直さなきゃ。」
禰豆子はAの寝癖を軽く触ってふふっと微笑んだ。
Aも禰豆子の髪が崩れない程度に優しく頭を撫でてやった。
一言で表すと天使の集い。
善逸が見たら多分吐血して鼻血出して失神して炭治郎に見すぎだとぶん殴られるだろう。
因みに姉妹仲は星5を越える。
わかりやすく表すとこちら(↓)
【姉妹仲 ・ ★★★★★】★★★★★(((以下略
星 5 か ら 飛 び 出 る ほ ど の 仲 良 し 度 。
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「はぁー、朝から尊い天使達が見れるなんて…俺はなんて幸せ者なんだ…今なら白米53杯余裕でいける…」
「……兄ちゃん、姉ちゃん達ばっか見てないで皿片付けるの手伝えよ…てかなんで53杯っていう微妙な数字なの…」
「竹雄、なんであんなに尊いんだ。」
「俺ツッコむの疲れたしその表現だと俺のこと尊いって言ってるみたいにも聞こえるぞ。」
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とく(プロフ) - すごくいいお話でした…。涙が出るほど(笑) (7月19日 12時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
えむえいか - 貴方様は、神ですか? (2022年5月20日 16時) (レス) @page5 id: 6c61bb4c69 (このIDを非表示/違反報告)
孤 - 神作……… (2022年5月9日 15時) (レス) @page44 id: af8576bbe7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - たまに………たまに原作を思い出すような描写があって……目から汗が……… (2021年12月5日 7時) (レス) @page50 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
夏鈴 - 炭治郎のシスコン具合がめっちゃ良かったです‼︎無一郎と有一郎がでて来るとか最高すぎます‼︎とっても良い作品ありがとうございますー! (2021年11月21日 22時) (レス) @page50 id: 378955c846 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白霞 | 作成日時:2020年6月13日 19時