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聞いてはいるけど、正直興味が無かった。
伊野尾ちゃんとは確かに仲良いけど、あくまで仕事仲間で、こうやって愚痴を言い合えるような人が居なくなるのか…ってぐらい。
フラッペが残り少なくなり、ズズッと音を立てる。
「あ、噂をすれば高木からだ」
スマホを片手にごめんね、って席を立つ伊野尾ちゃん。
今までそんな気配無かったのになぁ。いや、あったけど仕事の話かと思って俺が気にしてなかっただけか。
【おねぇさん1人?】
頬杖をついてスマホを見てると、これまたチャラそうな男が話しかけてきた。
話しかけられるのなんて最早日常過ぎて驚きもしない。ていうか毎回同じ男が話しかけてんじゃねぇかってぐらいレパートリーが無いんだよ。
「いえ、人を待ってます。」
【えぇーそうなの?じゃあ待ってる間で良いさ…】
しつけぇな、と思いながらいつも通り低い声でも出そうかと思った時
「何か御用ですか?」
【あ、いや、すみませんでした】
中島さんが声を掛けて男がどっか行った。
すげぇ、こんな典型的に助けられたのは初めて。
「こんにちは、レオちゃん」
「お久しぶりです、ありがとうございます」
「良かった、咄嗟に話しかけたけど余計なことしたかと心配しました笑」
爽やかにニコッと笑う中島さん。
なんで彼女居ねぇんだろ。
「山田…お前もそういう人居たのかよ」
驚愕の声に後ろを振り返ると用を済ませたのか伊野尾ちゃんが立っていた。
「違うよ、“ケイちゃん”。こちらはお客さん」
「あ…。ごめん“レオ”…。」
今更呼ばれても…。逆に山田が際立って耳に残るって。
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作者名:たく | 作者ホームページ:https://twitter.com/HSJW_Taku?s=09
作成日時:2021年12月3日 20時