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「今日はありがとうございました」

「こちらこそ、楽しかったです」





好印象ではあると思うけど、ご飯以外にお金使わなかったからやっぱ金ねぇのかな。リピートは五分五分と。





【お、レオちゃんお疲れちゃん。どうだった?若い男は】





まためんどくせぇのが来たな。


オフィスとも言えないような溜まり場で中島さんについて整理していたら、社長が戻ってきた。戻る前には終わらせるつもりだったのに。





「別に。普通です」





若いのは体力あるけどテクがねぇんだ。ってタバコに火を付けながらガハハと大口で笑う。ほんとキモイことしか言えないのかこのオヤジは。




無視しながら顧客管理書に中島さんの情報を書き込んで行く。



何をしたか、何を貰ったか。
何が好きか、何が苦手か。





【レオちゃんも律儀だねぇ。ケイちゃんは書いてはいるんだけどテキトー過ぎて全くわからん】

「自分が分かればいいじゃないですか。私はいちいち覚えておくのが嫌なので書いてるだけです。」





ケイちゃんは伊野尾ちゃんの活動名。
太客にはお店に内緒でも会ってるらしいし、いちいち書かないんだろう。





【ねぇ、レオちゃん】





書き終わった書類を社長椅子の後ろの棚に直すタイミングで、社長が尻を触ってくる。





「5万で」

【えーさすがにそれは高くない?】

「今日は早く帰りたかったんです。」





しゃあねぇなって雑に机の引き出しを開け、封筒を取り出し枚数を数えて俺のカバンにねじ込む。
タバコを灰皿に擦り付け、俺に覆いかぶさった。

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作者名:たく | 作者ホームページ:https://twitter.com/HSJW_Taku?s=09  
作成日時:2021年12月3日 20時

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