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「ケイさんも男なんだ…。見えないなぁ」

「でしょ?俺可愛いもん」





自分の客じゃないからって比較的素に近いテンションで話す伊野尾ちゃん。





「そろそろお客さんの時間だから俺行くね」

「行ってらっしゃい」

「裕翔、俺も指名してね〜」





気がついたら時間になっていたらしい。
名前呼びにタメ口なんて、俺より仲良くなってるし。






伊野尾ちゃんに手を振ると、隣に居る中島さんを見た。


そういえば、居合わせてからずっと一緒に話してたけど中島さんは用事とか無いんだろうか。




どうせ会うなら金発生させたかったな。いや助けて貰ってなんだけど、これからどうしようか。
プライベートで客に遭遇なんて考えてなかった。






「レオちゃんのお仕事は?」

「今日はもう終わりました。」

「そっか、プライベートにお邪魔する形になってすみません」

「大丈夫ですよ」

「じゃあ、俺ここで。」






え?っと思わず声が出る。





「どうしたんです?」

「いや、あっさり別れるんだなぁって…」





せっかく店通さず会ったんだからこの後ご飯でも…なんて言われるかと。





「じゃあ、薮くんのお店行きます?」





あ、なんか別れたくないみたいに捉えられちゃったかもしれない





「別に…」

「薮くんがレオちゃんは連れてこないのかってうるさいんですよ。」





ここまで話されると断りづらい…。
それに、中島さんだから長引くことも無いだろう。





「じゃあ…行きます。」

「やった、決まりですね」





確かに面倒だと思っていたはずなのに、薮さんのお店に行くことが決まっても億劫に感じていない俺が居た。

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作者名:たく | 作者ホームページ:https://twitter.com/HSJW_Taku?s=09  
作成日時:2021年12月3日 20時

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