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着々と進む結婚式までの準備。
今日の予定は前撮り。
和装は、式ではお色直しに時間がかかるため前撮りすることが多い。
写真を式に使うことも出来るしな。
「流星ー!どうや?俺結構似合ってんちゃう?」
しげの準備が整ったのか、先に更衣室から出てきた。羽織袴に少しのメイク、髪型をばっちり決めている。
「見た目は立派な花婿なのに、中身の所為で七五三やな。」
「えー」
アヒャヒャと笑うしげ。
悔しいけどめっちゃ似合う。かっこええよ。
【おまたせしました…】
少し話をしていたら、茉莉さんも出てきた。
赤色の色打掛に、髪飾りはダリアの生花を使って華やかだ。モデルさんみたい。
「綺麗や…」
さっきまで5歳児だった表情は、茉莉さんを見ると急に大人びて、男になる。1人の女性を幸せにする覚悟を決めた顔。
…俺には、絶対向けられないしげの顔。
「わー!茉莉ちゃん綺麗や!!」
【えへへ、神ちゃんがとっておきのお花選んでくれたからだよ】
セットの装飾花を整えてた神山さんが茉莉さんに駆け寄る。続くように俺らも茉莉さんの元へ。
「綺麗やで」
【…ありがと。大毅くんもカッコイイ】
照れたように頬を赤らめる表情は俺から見ても可愛くて綺麗。
…敵わない。
「じゃあ、小瀧さんお願いします」
「あれ、藤井さんどっか行かれるんすか?」
「すぐ戻ります」
カメラさんに声をかけてスタジオを出る。
ぐるぐる、嫌な感情が胸につっかえて、上手く息ができない。
少し1人になりたかった。
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作者名:たく | 作者ホームページ:https://twitter.com/HSJW_Taku?s=09
作成日時:2021年10月11日 18時