さくらの営み 4【オロチ】 (ページ22)

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百七十二レロレロページ22

「桜風……じゃなくて、Aです。妖魔界から来ました」

「と言うことは……上級妖怪にゃん？人間界と妖魔界を行き来するには普通の妖怪じゃ中々できないにゃん」

差し出された手に触れると、ふにふにとした感触があった。

「……偉くはありません。とある方が私が人間界に勝手にいかないように門番さんに伝えていたみたいですが、無断で無理矢理来ました」

「あんなところを通ってくるなんて根性あるにゃん。そんなにも大事な用事があるのかにゃん？」

手を離し、こくりと神妙に頷いて見せるとジバニャンさんは大事な用事について尋ねてきた。

「昨日ここに来た妖怪が今朝になっても戻って来ないんです。それと、大型の黒魔が人間界に現れたと聞いて……」

「じゃあ外にいると危険にゃん‼オレっちすぐそこに住んでるから入るにゃん‼」

ジバニャンさんはそう言って私の手を引き、近くの赤い屋根の家にあがりこんだ。

「えっ、あ、お邪魔します……」

とんとんと階段を駆け上り、突き当りの扉を開いた。

扉の先で見た光景に目を疑った。

「レロレロレロレロレロレロ……」

「ケータ最低にゃん‼」

バタン‼と扉を閉められ私は急ブレーキをかけたが、慣れない下駄で足をくじきそのまま転倒した。

「大丈夫かにゃん⁉」

「は、はい……」

体を起こし、下駄を脱いだ。

「そのこともにゃんけどケータのことにゃ……」

「ま、まぁ。見てはいけないものを見てしまったようですが……。ノックせずに扉を開けたのにも非はあります。……見なかったことにして置く方が互いの為でしょう」

ジバニャンさんは私にここにいるように言うと怒りながら部屋の中に入っていった。