五 確証 ページ5
私は必死にスクールバッグの中身を思い出した。
「教科書とノートと……スマホと……ペンケース、ポーチ……。……ぁ、スマホはピンク色の手帳型ケースで……」
中身を挙げると男の子はそれを1つずつ机に並べた。
「……ノートに名前が書いてあるが」
「桜風A……」
そう答えると男の子は少しだけほっとしたような顔をした。
「それじゃあA、どうやってお前は妖魔界に来たんだ？」
「妖魔……界……？」
目が覚めてから5分も経っていない。
それ以前の記憶も無く、何故自分がここにいるのか全くわからなかった。
「妖魔界とは妖怪たちが暮らす世界。Aの住む人間界とは別の世界だ。……まさか覚えていないのか？」
「わ、かりません……。覚えてなくて……」
男の子は指先で机をトントンと叩く。
「……エンマ大王さま、埒が明きません。覚えていないのではなく答えられないのでしょう。やはり敵軍の刺客であることに間違いはありません。今すぐ処分しましょう」
白髪長身の男は背後から私の腕を抱えた。
「まてぬらり‼確かに刺客"ではない"確証はないが、刺客"である"確証もないだろう‼」
「ですが‼刺客ではない確証がない限り何らかの処置が必要でしょう‼」
男の子は玉座から降りると私の腕を引いた。
白髪長身の男が手を離し、私はまた床に倒れた。
「ぬらり、疑うのなら自身で桜風Aについて刺客である証拠を取ってこい。話はそれからだ」
白髪長身の男は舌打ちをすると荒々しく歩き、部屋から出ていった。
分からない。
なにも知らない。
それなのに今私は窮地にいる。
その場しのぎができない不器用な性格はいつか損するものと思っていた。
それがこれ程までのものだとは思わなかった。
どうして私はここに居るのか？
どうして記憶がないのか？
必死に思い出そうとしてもなにも思い出せない。
手枷を引かれるまま、また私は牢獄へ閉じ込められてしまった。
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剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月25日 20時) (
レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください！応援しています！ (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください！！応援しています！！ (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります！！アドバイスもありがとうございます！！ (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：剣城京菜 | 作成日時：2018年7月20日 19時
