三十九 時 ページ39
「節穴だったな。だがAのおかげでまたここらは安全を取り戻した」
「……安全」
その言葉には疑問が残る。
傷ついた妖怪がいるのもそうだが、エンマ大王さまのいうここを中心とした範囲内以外は敵に乗っ取られているということだ。
いつまた攻め入られるかは分からない。
安全とは程遠いものだろう。
それはエンマ大王さまも理解しているらしく、無理矢理その言葉を使ったようだった。
「それと、Aには謝らなければならないことがある」
エンマ大王さまはこちらの陣地1箇所に指を置く。
「ここはAが見つけた奴らの通り道だ。……昨晩の戦いにより木々が倒れ道が塞がってしまった」
「……‼それって人間界と繋がる道、ということですか……?話が違います……‼」
勢いあまり立ち上がるとエンマ大王さまは顔を俯かせた。
「……感情的になってもなにも変わらない」
オロチさんは私の左腕をぐいと引っ張った。
私は納得いかないまま、もう一度腰をおろす。
「本当に悪いと思っている。だがもう一つ、今人間界は時が止まっているそうだ」
「……時?」
突拍子もなくそんなことを言われてもいまいちピンとこない。
「人間界に生きる全ての人も物も時間も時が止まっている。……つまりは再び動き出す時は止まったときの時間から始まる、と言う事だ。Aがこちらにいても向こうに戻る時は5日程しか経っていないだろう」
「じゃ、じゃあ。時を動かすにはどうしたら……」
そう問うとエンマ大王さまは首を横に振った。
「……少し調べる時間をくれないか。道の確保もこちらが手を打とう。それまでは妖魔界にその身を置いて欲しい」
エンマ大王さまは深々と私に頭を下げた。
そうされると悪いことをしている気分になる。
だけど、それは……騙されたというものだ。
「……失礼します」
オロチさんは立ち上がると私の腕を掴み、強引に玉座の間を出た。
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剣城京菜(プロフ) - あやべえさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月25日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
あやべえ(プロフ) - オロチかっこいいですぅ……これからも頑張ってください!応援しています! (2018年8月25日 9時) (レス) id: af2133f4e4 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - kkkkkkkkkさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月7日 20時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
kkkkkkkkk - 頑張ってください!!応援しています!! (2018年8月7日 6時) (レス) id: c230d910a2 (このIDを非表示/違反報告)
剣城京菜(プロフ) - 奈乃さん» 頑張ります!!アドバイスもありがとうございます!! (2018年7月25日 11時) (レス) id: 6021a386db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:剣城京菜 | 作成日時:2018年7月20日 19時