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恵side
ベッドですやすや眠る海真に、俺はそっと息をつく。
──39.6℃。
海真にはもちろん言わなかったけど、パニックにならなかった自分を褒めたいくらいの高熱だ。
インフルとか疑いたくなるけど、今海真の症状は発熱だけ。
咳も鼻水も何もないから、きっと精神的なものなんだろう。
熱のせいで寝苦しいのか時折呻き声をあげる海真が可哀想で、変わってやれたらいいのに、と思った。
オレはあんまり風邪引かないのに。神様って意地悪だよなぁ。
そんなことを考えながら海真の髪を撫でていると、控えめなノックの音がした。
はーいと返事をした瞬間、そっとドアが開く。
「お粥持ってきたけど海真は…寝てるか」
入ってきたのはお粥の乗ったお盆を持った湊。
眠っている海真を気づかってかヒソヒソと話す湊に、オレも小さな声でお粥さんきゅ、と返した。
「起こす？薬とかも一応持ってきたけど…」
「んー…薬飲ませたいよな…起こすかー」
海真ー、と声をかけてみるものの、苦しげに眠る海真はぴくりとも反応しない。
申し訳ないけどその熱い体をそっとゆすらせてもらうと、ようやく潤んだ瞳が顔を覗かせた。
「お粥持ってきてくれたけど、体起こせる？」
「…ん」
のそりといつもの何倍も時間をかけて体を起こす海真。
座っているのもしんどいのか、小さく息をついてオレにもたれかかってきた彼は相当重症だ。
「先にこれ貼っちゃおうか。ちょっと冷たいかもだけどごめんね」
湊が持ってきた冷却シートを海真の額に貼りつける。
その冷たさにびくりと動いた海真の髪が首に当たってくすぐったかった。
「食べれるだけでいいから、はい」
スプーンでお粥を掬ってそれを海真に渡す………いや、オレはそのつもりだった。
オレの中ではスプーンを受け取った海真が自分でお粥を食べる予定だった、はず。
だけど目の前の彼は当然のように小さく口を開けて待っていて、え、まさか…あーん、するの？
「…けい？」
「あ、ごめんごめん、はい！」
舌っ足らずにオレを呼ぶ海真に負けて、オレは覚悟を決めて彼の口にお粥を突っ込んだ。
湊がニコニコして見てるのが余計に羞恥を煽ってくる。やめろその顔！！
「…おいしい。ありがと、湊」
オレが1人で勝手に恥ずかしがってるうちに、海真はふんわりとした笑顔を湊に向けている。
結局そのまま海真にお粥を食べさせ、3分の2ほど残ったお粥を持ってオレは海真の部屋を後にした。
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暁☆(プロフ) - ayahanaさん» こちらこそいつも優しいコメントありがとうございます！ おかげでまだまだ続けられそうです (*´ `*) ぜひ今後ともよろしくお願い致します〜！ (2021年2月13日 9時) (
レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！まだ続けて下さるどころか頻度上がるかもということで凄く嬉しいです、次のお話も楽しみにしています！ (2021年2月13日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - ayahanaさん» お待たせして申し訳ありません！こちらこそ読んでくださりありがとうございます〜<(_ _)> (2020年8月20日 7時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
ayahana(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a867efffe4 (このIDを非表示/違反報告)
暁☆(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年6月23日 20時) (レス) id: f1423fd483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁☆ | 作成日時：2018年6月15日 20時
